三菱HCキャピタルエナジー、三菱地所など4社、北海道千歳で系統用蓄電池着工

■2027年稼働めざす大規模蓄電設備始動

 三菱HCキャピタル<8593>(東証プライム)傘下の三菱HCキャピタルエナジー、三菱地所<8802>(東証プライム)、サムスン物産、大阪ガス<9532>(東証プライム)の4社は6月16日、共同出資による「上長都ひかり蓄電合同会社(SPC)」を通じて、北海道千歳市における系統用蓄電池設備の設置工事を開始したと発表した。蓄電池の出力は25MW、容量は50MWhで、2027年1月の運転開始を予定している。再生可能エネルギーの出力変動に対応するため、電力需給を安定化させる目的で導入される。蓄電池設備にはリチウムイオン方式が採用され、電力市場への柔軟な対応が可能となる。

 同事業は、各社の脱炭素社会実現に向けた戦略の一環である。三菱HCキャピタルグループは再エネ関連のバリューチェーン構築を掲げ、三菱HCキャピタルエナジーは国内675MWの持分容量を保有し、今回の蓄電池事業が初のフルマーチャント型案件となる。三菱地所は2050年ネットゼロ目標達成に向け、再エネ比率100%を掲げており、蓄電事業への投資拡大を図っている。大阪ガスはトレーディングの知見を活用し、3市場で取引しながら、上長都の蓄電池運用を担う。サムスン物産はグローバルにエネルギーソリューションを展開しており、建設力と調達網を本事業に生かす。

 各社の出資比率は三菱HCキャピタルエナジーが65%、三菱地所20%、サムスン物産10%、大阪ガス5%で、敷地面積は約6,600平方メートル。再エネの普及に伴う電力調整力の確保という社会課題に対し、同事業は安定供給の基盤を提供しうるものと位置づけられている。各社は今後も再エネ発電、蓄電池、水素などを通じて、持続可能なエネルギー社会の構築を進めていく方針を示している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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