日本郵政3銘柄から資金還流で循環買い相場の展開=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛

犬丸正寛の相場展望 年末の日経平均2万円に向かって循環買い相場の展開に入ってきたようだ。循環買いとは、主力株を中心に比較感で2番手、3番手の銘柄を次々と買われ全般相場がカサ上げされることである。

とくに、資金の流れから循環買いが本格化しているとみることができる。去る、11月4日に日本郵政など合計3銘柄の政府系大型新規上場があった。10月中旬あたりから一般銘柄を売って資金をつくり大型3銘柄買いに大量の資金が向かっていた。その大型新規3銘柄の動きが落ち着き、利食い資金で放置されていた一般銘柄を物色する動きが出ている。

日経平均は、依然、NYダウに対し出遅れ感が強い。政治ではオバマ大統領と安倍総理が親密で安定していることから日経平均でもNYダウを追う展開といえる。既に、中国ショック前の水準を奪回し、さらに、新高値に進もうかという雰囲気のNYダウに比べ日経平均は中国ショック前水準までまだ約700円の開きがある。

ただ、気になることといえばテロの脅威はあるが、個人投資家が安倍第3次政権が発足して以降の約1カ月間で約1兆8000億円も売り越していることだ。「アベノミクス第2章にあまり期待できない」(当社セミナーに来場の個人投資家の声)ということがあるようだ。この言葉に代表されるように、「具体的な政策がいつ出てくるかが日経平均2万円乗せたあとのシナリオを描けるかどうかが変わってくる。多くの投資家は2万円まで行くだろうがその後の展開が描けないでいる」(中堅証券)との見方だ。

このため、足の速い個人マネー中心の展開が予想されそうだ。好業績銘柄、あるいは再生医療関連などのテーマ性があってチャートの好い銘柄が次々と物色される展開のように思われる。

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