【マーケットセンサー】石破政権、瀬戸際の決断、日米合意の光と政局不安の影

■日米金融政策と企業決算が鍵、市場は政権の実行力を注視

 石破茂首相は、日米間の相互関税率を現行の25%から15%へ引き下げる合意に至ったと発表。この発表は、与党が参議院選挙で過半数を割り込む敗北を喫した直後ということもあり、市場では大きな驚きをもって受け止められた。この影響で日経平均株価は発表後の2日間で大幅な上昇を記録し、選挙結果を受けて動揺していた市場の雰囲気を一変させる格好となった。しかし、もしこの重要な合意が選挙前に公表されていれば、政権への評価や選挙の結果そのものが大きく異なっていたのではないかとの見方も広がっている。

 日米合意にもかかわらず、石破政権を取り巻く環境は厳しさを増している。野党だけでなく、政権与党である自民党内部からも公然と責任を問う声が上がり始め、政権の求心力が著しく低下しているのは明らかである。その一方で、SNS上では「#石破やめろ」というハッシュタグを、「#石破やめるな」が上回る現象も見られ、世論は二分している状況だ。石破首相は、今回の相互関税引き下げへの対応を盛り込んだ補正予算の編成などを理由に、続投する意向を強く示している。だが、「政治的空白は断じて避ける」というその言葉が、果たして実行力を伴うのか、今後の政権運営が注視される。

 今後の市場の動向は、複雑な要因が絡み合い、予断を許さない。金融政策では、利下げ圧力が強まる米連邦準備理事会(FRB)と、国内の物価高や「エッグ・ショック」と呼ばれる鶏卵価格の高騰も抱える日本銀行が、それぞれ難しい判断を迫られる。さらに、8月上旬に本格化する企業の決算発表も相場を揺るがす大きな要因だ。すでにルネサスエレクトロニクスや三菱自動車など主力企業の決算を受けて株価は下落した。こうした中、投資家の関心は日銀の金融政策と連動する銘柄選別に集まっている。利上げが決定されれば銀行株や円高メリット株、現状維持であれば不動産株などが物色対象となる「時間差対応」が、今後の投資判断を左右するだろう。市場の安定は、ひとえに政権の安定と政策の実行力にかかっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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