クレスコ、26年3月期1Qが2桁営業増益と順調で通期予想据え置きで成長期待持続

 クレスコ<4674>(東証プライム)は8月5日に26年3月期第1四半期連結業績を発表した。増収・2桁営業増益と順調だった。一部案件で計画延期が発生したものの、全体として受注が高水準に推移し、利益面では前期の不採算プロジェクトの影響が一巡したことも寄与した。そして通期の2桁増益予想を据え置いた。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は6月の高値圏から一旦反落したが切り返しの動きを強めている。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■26年3月期1Qが2桁営業増益と順調で通期予想据え置き

 26年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比9.6%増の150億80百万円、営業利益が16.6%増の10億14百万円、経常利益が6.6%増の10億95百万円、親会社株主帰属四半期純利益が0.2%減の7億54百万円だった。

 増収・2桁営業増益と順調だった。一部案件で計画延期が発生したものの、全体として受注が高水準に推移し、利益面では前期の不採算プロジェクトの影響が一巡したことも寄与した。なお親会社株主帰属四半期純利益については前年同期に比べて税負担が増加したため小幅減益だった。

 ITサービス事業は売上高が1.1%増の129億29百万円、営業利益(全社費用等調整前)が3.8%増の14億24百万円だった。

 内訳として、エンタープライズは売上高が7.2%増の54億34百万円、営業利益が82.0%増の5億67百万円だった。増収・大幅増益だった。売上面は情報・通信・広告分野におけるアプリケーション開発支援業務が増加し、利益面は前年同期の人材紹介・人材派遣分野で発生した不採算プロジェクトの影響が一巡したことも寄与した。

 金融は売上高が1.6%減の41億16百万円で、営業利益が27.5%減の3億98百万円だった。銀行・保険分野における案件延期発生の影響で減収減益だった。なお延期した案件については下期立ち上げ見込みとしている。

 製造は売上高が4.5%減の33億78百万円で、営業利益が10.4%減の4億57百万円だった。減収減益だった。自動車・輸送機器分野の受注が伸び悩んだことに加え、機械・エレクトロニクス分野における製品開発プロジェクトの中止・延期の影響を受けた。

 デジタルソリューション事業(ライセンス販売)は売上高が122.2%増の21億51百万円、営業利益が18.0倍の1億61百万円だった。基幹システム導入を主力とする高木システムの新規連結効果などにより大幅増収増益だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が前期比8.9%増の640億円、営業利益が17.0%増の70億円、経常利益が13.5%増の71億40百万円、親会社株主帰属当期純利益が11.2%増の49億円としている。配当予想は前期比16円増配の58円(第2四半期末29円、期末29円)としている。連続大幅増配で予想配当性向は48.5%となる。受注が好調に推移し、人件費増加などを吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は6月の高値圏から一旦反落したが切り返しの動きを強めている。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。8月5日の終値は1724円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS119円55銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の58円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS747円27銭で算出)は約2.3倍、そして時価総額は約724億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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