TOPIX史上初の3000ポイント台、2日連続で最高値更新、米国の関税緩和や利下げ観測が追い風に

■大手企業の好決算が株価押し上げ

 TOPIX(東証株価指数)は8月7日から8日にかけ、取引時間中に3,031ポイントを超える史上最高値を2日連続で更新した。設立以来初の3,000ポイント台突破であり、日本株市場の広範な活況を象徴する動きとなった。7日は一時2,993.21ポイントを付け、終値でも最高値を更新。8日にはさらに勢いを増し、取引時間中の最高値として3,038.84ポイントを記録した。海外投資家を含む投資マネーの流入が加速していることを示す展開だ。

■米国政策と国内好業績が追い風

 急騰の背景には複数の要因が重なった。米国が日本の自動車などへの関税を緩和し、貿易懸念が後退したことで輸出企業株が買われた。加えて、米国の利下げ観測やニューヨーク市場の株高が日本株にも波及した。国内ではソフトバンクグループ<9984>(東証プライム)やソニーグループ<6758>(東証プライム)など大手企業が好決算を発表し、特にソフトバンクグループは一時14.5%高と大幅に上昇、TOPIXの上昇に大きく貢献した。自動車、半導体、電機から食品、電力といった内需関連まで幅広い業種で買いが広がった。

■日銀政策への期待と不透明感

 日本銀行の政策期待も投資マインドを押し上げた。国内企業の賃上げ傾向を受け、年内の利上げ観測が高まったが、実際には名目賃金の伸びを上回るインフレが進行し、政策転換には不透明感も残る。今回のTOPIX最高値更新は、米国の政策動向、国内主要企業の好業績、日銀の金融政策への期待が重なり、日本株市場全体が力強く活性化している状況を鮮明に示した。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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