【深掘り】自己株買い+増配・優待拡充でストップ高!複合的な好材料が市場を動かす

■3Q純利益15%増!「天が助くる」銘柄の条件とは?

 企業の3Q純利益は日本経済新聞の集計によると前年同期比15%増と2年連続で過去最高を更新した。3月期通期業績も上方修正する銘柄の方が下方修正する銘柄より多く、市場は活気づいている。しかし今日の相場環境では、単に好業績というだけでは不十分だ。真に「天が助くる」銘柄となるには、自己株式取得などの株主還元策を積極的に打ち出し、「自ら助くる」姿勢を鮮明にすることが重要となっている。「相場の神様」は、そうした銘柄にこそ微笑むのだ。

■自己株買い17兆円!過去最高を更新、2025年も好調続く

 自己株式取得は株主への利益還元のみならず、政策保有株売却の受け皿機能や自社株価の割安感アピール、業績下方修正時の株価防衛策など多様な目的で実施される。2024年の自己株買い総額は約17兆円と前々年から7割増加し、3年連続で過去最高を更新した。2025年も好調な出足で、1月初から3連休前の21日までに255銘柄が自己株式取得枠の設定を発表している。業種や市場区分、取得規模は多岐にわたるが、株価の割安感を内外に知らしめるアナウンス効果という点では共通しており、厳しい相場環境下でも一定の健闘を見せている。

 注目すべきは自己株式取得に加え、増配や株主優待制度の拡充などをセットで発表した銘柄だ。これらの中にはストップ高や昨年来高値を更新した銘柄も現れている。こうした複合的な好材料が市場の評価を大きく高めるケースが目立つ。今年1月以降に自己株式取得を発表した銘柄の中から、業績を上方修正しながらなお株価が割安水準にある18銘柄をスクリーニングした。

 これらの銘柄は「自ら助くる」努力を重ねることで「天の助け」を得る資格を備えている。今後の市場では「トランプ・リスク」という強敵が立ちはだかるが、好業績と株主還元の両立を図る企業は、この逆風にも耐えうる底力を秘めている。積極的な株主還元策と業績上方修正という二つの武器を手に、市場の荒波に立ち向かう姿勢を示す企業に投資家の注目が集まりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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