ヘリオスが後場急伸、UDC特許が日本で成立、低免疫原性iPS細胞で再生医療加速

■HLA除去と免疫抑制遺伝子導入で拒絶反応を低減

 ヘリオス<4593>(東証グロース)は8月15日、後場に入ってから71円高(12.37%高)の645円(12時45分)まで上げて急続伸している。同社は本日12時、出願していたユニバーサルドナーセル(UDC)に関する日本での特許が成立したと発表した。UDCは遺伝子編集技術により多型性をもつHLAを除去し、免疫抑制関連遺伝子や安全装置としての自殺遺伝子を導入した低免疫原性iPS細胞であり、移植細胞に伴う免疫拒絶反応を抑制することが可能である。同社は2020年に臨床グレードのUDC株を完成させ、世界の研究機関や企業に提供し、様々な疾患への適応を検証している。

 今回の特許成立により、同社技術の独自性と新規性が日本国内で正式に認められた。特許は欧米や中国など海外にも出願済みで、審査は順調に進行中である。これにより国内外での競争力向上と、UDCのデファクトスタンダード化を進め、共同研究やライセンス導出を通じて再生医療の発展を目指す。UDCはiPS細胞の自己複製能力や多能性を維持しつつ安全性を高めた次世代技術プラットフォームとして期待される。

 なお、同件による2025年12月期連結業績への影響はない。同社は再生医薬品分野の先駆企業として、HLCM051による脳梗塞急性期や急性呼吸窮迫症候群などの治験を進めるほか、固形がん向けのeNK®細胞開発も推進している。今後もiPS細胞技術を活用し、がん免疫、眼科、肝臓領域などで新規治療薬の開発を加速する方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■山口県周南市で始動、燃料電池の定置型電源活用で脱炭素電力供給を検証  ホンダ<7267>(東証プ…
  2. ■LINEリサーチ発表、上半期トレンド総括と最新6月期の動向  LINEヤフー<4689>(東証プ…
  3. ■休廃業・解散は減少も淘汰続く、新興市場の課題鮮明に  東京商工リサーチは7月31日、国内ドローン…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物関連株、最高値更新で安全資産需要が強まる  日本取引所グループ<8697>は9月24日、今…
  2. ■石破首相辞任表明後も市場は急落回避、投資家の買い意欲継続  「一寸先」は、不確実で予測が難しい。…
  3. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  4. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  5. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  6. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る