【アナリスト水田雅展の銘柄分析】OBARA GROUPは高値更新の展開、15年9月期業績の上ブレ期待で上値追い

銘柄分析

 溶接機器や平面研磨装置のOBARA GROUP<6877>(東1)の株価は高値更新の展開となった。11月14日に4870円を付けて7月高値4770円を突破し、12月12日には5460円まで上伸した。為替のドル高・円安進行も好感して今期(15年9月期)業績見通しの上ブレを期待する動きであり、上値追いの展開だろう。

 自動車業界向け抵抗溶接機器や造船・建設業界向けアーク溶接機器を主力とする溶接機器関連事業、エレクトロニクス業界向け平面研磨装置や洗浄装置を主力とする平面研磨装置関連事業を展開している。

 今期(15年9月期)の連結業績見通し(11月10日公表)は売上高が前期比0.8%減の474億円、営業利益が同5.5%減の84億50百万円、経常利益が同11.5%減の85億50百万円、そして純利益が同11.1%減の55億円としている。

 配当予想は年間60円(第2四半期末30円、期末30円)としている。前期のとの比較では記念配当10円を落としたが、普通配当ベースでは前期と同額である。

 会社見通しは減収減益だが、期初時点では保守的な見通しを公表する傾向が強い。想定為替レートも1米ドル=107円と保守的だ。自動車関連の設備投資需要は国内外で高水準であり、溶接機器関連事業の好調推移が予想される。また平面研磨装置関連事業も、エレクトロニクス関連業界向けが回復基調だろう。為替のドル高・円安進行も追い風であり、会社見通しには上ブレ余地が大きいだろう。

 株価の動きを見ると、8月~10月の直近安値圏3500円~4000円近辺でのモミ合いから上放れて水準を切り上げた。11月14日に4870円を付けて7月高値4770円を突破し、12月12日には年初来高値5460円まで上伸した。為替のドル高・円安進行も好感して今期業績見通しの上ブレを期待する動きだろう。

 12月22日の終値5220円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS284円97銭で算出)は18~19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は1.2%近辺、前期実績PBR(前期実績連結BPS1959円17銭で算出)は2.7倍近辺である。

 日足チャートで見る25日移動平均線がサポートラインとなった。週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して上伸した。また13週移動平均線が26週移動平均線を上抜けるゴールデンクロスを示現している。強基調の形であり上値追いの展開だろう。

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