【アナリスト水田雅展の銘柄分析】プラマテルズは戻り歩調の展開、3%台の高配当利回りも支援材料に9月高値を試す

銘柄分析

 合成樹脂専門商社のプラマテルズ<2714>(JQS)の株価は、10月の408円を直近ボトムとして戻り歩調の展開だ。3%台の高配当利回りなど指標面の割安感も支援材料であり、9月高値465円を試す展開だろう。

 双日<2768>グループの合成樹脂専門商社である。製品はエンジニアリング系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニール系材料などを扱い、需要先はOA・事務機器、光学機器を中心として、家電・電子、医療機器、建材、自動車、容器・化粧品、玩具・その他と幅広い。

 高付加価値商材の拡販、良質な商権を持つ優良会社の営業権取得やM&Aを積極化するとともに、海外は中国、ベトナム、フィリピン、タイなどアジア市場への展開を積極推進している。13年5月にインド、13年8月に台湾に現地法人を設立してアジアでの拠点整備がほぼ完了し、本格的な事業展開を推進している。中期戦略では17年3月期に向けた目標として経常利益10億円、自己資本比率30%維持、安定配当の継続を掲げている。

 今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(4月25日公表)を据え置いて、売上高が前期比4.9%増の625億円、営業利益が同8.0%増の9億円、経常利益が同9.5%増の8億80百万円、純利益が同71.6%増の4億80百万円で、配当予想は前期と同額の年間15円(第2四半期末7円、期末8円)としている。

 第2四半期累計(4月~9月)は前年同期比2.7%減収だが、同1.1%営業増益、同0.1%経常増益、同5.6倍最終増益だった。全体としては減収だったが、高付加価値商材の好調で売上総利益率が0.3ポイント改善し、純利益は厚生年金基金脱退損失の一巡も寄与した。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が44.8%、営業利益が43.1%、経常利益が42.4%、純利益が44.2%とやや低水準だが、高付加価値商材が好調であり、原油価格下落もプラス要因となって下期の挽回が期待される。中期的にもアジアの拠点整備やグループの連携強化などの効果で収益拡大が期待される。

 株価の動きを見ると、10月23日の408円を直近ボトムとして戻り歩調の展開だ。12月8日と9日には460円まで戻して9月高値465円に接近した。地合い悪化も影響して一旦反落したが、自律調整の範囲だろう。

 12月22日の終値445円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS56円15銭で算出)は8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は3.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS882円12銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線に続いて13週移動平均線も突破した。強基調の形だろう。3%台の高配当利回りなど指標面の割安感も支援材料であり、9月高値465円を試す展開だろう。

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