PHCホールディングスが急騰、CGM「Eversense」販売事業をSenseonicsへ譲渡で基本合意

■子会社アセンシアの販売事業を譲渡、収益性改善と効率化へ

 PHCホールディングス<6523>(東証プライム)は9月4日、67円高(6.61%高)の1080円(9時32分)まで上げて急騰している。同社は本日8時、連結子会社アセンシア・ダイアベティスケア・ホールディングス(スイス)が展開する持続血糖測定(CGM)システム「Eversense」の販売事業を、米国Senseonics Holdings社(NYSE:SENS)へ譲渡することに関する基本合意書を締結したと発表した。正式な事業譲渡契約は未締結であり、条件面は協議中であるが、10月末に契約締結、2026年1月に譲渡完了を予定している。譲渡対象は「Eversense」の販売事業で、具体的な資産や負債の項目、譲渡価額は未定とされる。

 同社は2024年に公表した「中期経営計画2027」で、事業ごとの成長性やROICを基準にポートフォリオを見直し、投資効率を高める方針を掲げてきた。アセンシアは2020年からSenseonics社と独占販売契約を結び、米欧で販売を展開。2024年10月には世界初となる1年間使用可能な「Eversense 365」を米国で上市し、成長を実現してきた。しかし、更なる拡大には継続的投資が不可欠であり、効率性の観点から販売事業を製造元に譲渡し、一貫体制とする方が最適と判断した。2025年3月期のCGM事業業績は売上30.6億円、営業損益△90億円で、収益性改善が課題となっていた。

 譲渡によりPHCグループ全体の収益基盤強化が見込まれる一方、詳細条件や今後の会計処理によっては糖尿病マネジメントセグメントでのれん減損リスクが生じる可能性がある。会社側は業績への影響を精査中であり、必要に応じて速やかに開示するとしている。なお、譲渡先のSenseonics社は長期装着型埋め込み式CGMの開発・製造を手掛ける企業で、PHCは株式9.67%を保有し取締役も派遣している関連会社である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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