東京大学など、魚類体重減少の主因は「餌の競争」75%と解明

■環境要因は50%、漁獲圧は25%、状態空間モデルで初の定量評価

 東京大学は11月1日、日本周辺の魚類16系群における体重変動の主因を分析し、体重減少の75%は餌をめぐる競争によるものと発表した。同研究は東京大学、広島大学、水産研究・教育機構などの共同研究によるもので、状態空間モデルを用いて餌の奪い合い、環境要因、漁獲圧の影響を初めて定量化した。従来の研究では温暖化に伴う餌料プランクトンの減少と競争激化が推定されていたが、各要因の寄与度を科学的に数値化した点が新たな成果である。

 研究チームは、資源評価報告書に基づく長期データを用い、各年に孵化した魚が成長する過程で受ける影響をモデル化した。その結果、餌をめぐる競争は16系群のうち75%で主要因となり、環境要因は50%、漁獲圧は25%にとどまることが明らかになった。特にマイワシやマサバなど主要魚種間での競争が大きく、魚種内外の資源量が体重変動に強く関与していることが示された。温暖化による餌料環境の変化が競争を増幅させた可能性が裏付けられた。

 この成果は、単一魚種ごとの資源管理では対応しきれない魚種間の相互作用の重要性を示すものであり、複数魚種管理の科学的根拠となることが期待される。今後は漁業政策や資源管理において、環境変動と生態系内の競争構造を踏まえた総合的な対応が求められるとしている。本研究成果は国際学術誌「Progress in Oceanography」に掲載され、国内外の資源管理に資する知見として注目を集めている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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