アイ・ピー・エス、フィリピン政府と政府ネットワーク構築で基本合意

ビジネス 万年筆 メモ

■PDSCNと国際ケーブル網を基盤に全国展開を加速

 アイ・ピー・エス(IPS)<4390>(東証プライム)は9月18日、フィリピン子会社のInfiniVANを通じ、フィリピン情報通信技術省(DICT)と同国政府ネットワーク構築に関する基本合意書を締結したと発表した。今回の合意は、フィリピン政府が進める国家ブロードバンド計画やデジタルトランスフォーメーション推進、サイバーセキュリティ強化を支援する枠組みであり、政府所有・管理の全国ネットワーク整備を目的としている。協議は今後、公共Wi-Fiサービスやインフラ協力、サイバー防御体制の強化などを含めた具体化に進む予定である。

 IPSグループは2015年にフィリピンでInfiniVANを設立して通信事業ライセンスを取得し、2020年と2021年にはフィリピン-香港・シンガポール間を結ぶ国際海底ケーブル「C2C回線」の使用権を確保した。これにより同国で3番目の国際データ通信キャリアの地位を築いた。さらに2023年には国内海底ケーブル網「PDSCN」を完成させ、全国規模でのサービス展開を開始したほか、2025年7月には日本・フィリピン・シンガポールを結ぶ新規国際ケーブル建設への参画も決定している。2028年にはこの新ケーブルの商用利用を予定し、国際通信事業の基盤を一層強化する構えである。

 DICTのアグダ大臣は「本パートナーシップは単なる協業にとどまらず、デジタルで強化されたフィリピン実現の一歩である」と述べた。今回の基本合意は法的拘束力を持たないが、IPSとInfiniVANは誠実に協議を進め、必要に応じて最終契約を含む具体的合意に至る見通しだ。なお、2026年3月期の連結業績への影響は軽微とされている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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