日銀、政策金利0.5%維持とETF・J-REIT売却開始を決定

日本銀行 日銀

■無担保コールレート据え置き、保有資産を年間3300億円規模で市場処分

 日本銀行は9月19日、政策委員会・金融政策決定会合を開催し、無担保コールレート(オーバーナイト物)を0.5%程度で推移させる金融調節方針を決定した。採決は賛成7、反対2で、2名の反対委員は0.75%程度への引き上げを主張したが否決された。また、保有するETFやJ-REITについて、市場の攪乱回避を基本に「金融機関から買入れた株式」の売却規模に合わせて市場売却を進めることを全員一致で決定した。具体的には、ETFは年間3300億円、J-REITは年間50億円程度を市場価格に基づき分散的に売却する方針である。

■緩和的環境を維持、物価2%台後半、先行き鈍化を警戒

 経済情勢については、国内景気は一部に弱さがあるものの緩やかに回復しているとした。輸出や鉱工業生産は米国の関税引き上げに伴う駆け込み需要と反動の影響で横ばい圏にある。企業収益は製造業に下押しがあるが全体としては高水準を維持し、設備投資は緩やかな増加傾向にある。個人消費は物価上昇により心理面で弱さを見せつつも、雇用や所得環境の改善で底堅さを保っている。物価は除く生鮮食品で前年比2%台後半の上昇を示し、賃金上昇の価格転嫁や食料品価格の上昇が要因となっている。

 先行きについては、海外経済の減速が企業収益を下押しする中でも緩和的な金融環境が下支えし、成長率は鈍化した後に回復基調をたどると見込む。物価については食料品価格上昇の影響がやがて薄れ、短期的には伸び悩むが、中長期的には人手不足や期待インフレ率の上昇を背景に高まり、展望レポートの見通し期間後半には「物価安定の目標」と整合的に推移すると予想した。日銀は各国の通商政策や海外の経済・物価動向が不確実性の高いリスク要因であると指摘し、金融・為替市場への影響を注視する姿勢を示した。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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