Heartseed、心筋再生医療「HS-005」で治験届提出、重症心不全治療の新局面へ

■PMDAへの手続き完了、安全性と有効性を確認へ、計14名の患者を対象に検証

 Heartseed<219A>(東証グロース)は10月2日8時30分、虚血性心疾患および拡張型心筋症を対象とした心筋再生医療「HS-005(カテーテル投与)」の第Ⅰ/Ⅱ相企業治験に向けた治験届を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ提出したと発表した。同社は年内提出を目標として準備を進めており、今回の手続き完了によって正式に治験開始への道筋が整ったことになる。HS-005は他家iPS細胞由来心筋球をカテーテル等を用いて移植する再生医療技術であり、重症心不全治療における新たな可能性を探るものだ。

 今回の治験は虚血性心疾患を基盤とする重症心不全に加え、拡張型心筋症への適用拡大も視野に入れて実施される。患者はそれぞれ7名ずつ、合計14名を組み入れ、安全性と有効性の検証が進められる予定である。また、治験実施に不可欠な投与カテーテルシステムに関する当局への事前報告もすでに完了しており、今後は書面審査を経て特段の指摘がなければ、候補施設の倫理審査委員会(IRB)での審議を通過次第、契約締結に進む流れとなる。

 同社は2026年に治験での患者投与開始を見込んでいる。再生医療分野での臨床開発は医療現場の期待が高く、進展すれば難治性心不全に対する治療オプション拡大につながる可能性がある。一方で、今回の発表は2025年12月期の業績予想に変更を伴うものではないと説明している。今後は治験の進展状況や安全性・有効性データが同社の事業価値に大きな影響を与えることになるとみられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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