
■優先撮像権を確保し、安全保障インフラを民間で構築
【民間主導で進む国家的衛星プロジェクト】
三井物産<8031>(東証プライム)は12月25日、防衛省の公告「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」を、三菱電機<6503>(東証プライム)、スカパーJSATホールディングス<9412>(東証プライム)、Synspective、QPS研究所<5595>(東証グロース)、アクセルスペースホールディングス<402A>(東証グロース)傘下のアクセルスペース、三井物産エアロスペースの6社とともに落札したと発表した。民間企業が中核となって衛星群を構築・運用し、防衛省の情報収集能力を補完・強化する国家的プロジェクトである。
【低軌道小型衛星で安定的な画像取得】
同事業は、地球低軌道に多数の小型衛星を配置するコンステレーションを活用し、画像データを安定的に取得することを目的とする。従来の商用衛星では、必ずしも必要なタイミングでの撮像が確保できない課題があったが、同件では防衛省が画像取得の優先権を持ち、必要な時点での画像取得に対応できる体制を整備・運用する点が特徴だ。
【6社が役割分担、技術と運用力を結集】
落札者となった6社は、それぞれの強みを生かして事業を担う。三菱電機は防衛・宇宙分野におけるシステム構築力、スカパーJSATは衛星運用と通信の実績を担う。Synspectiveは合成開口レーダー衛星、QPS研究所は小型高分解能衛星、アクセルスペースは小型衛星の設計・運用ノウハウを提供し、三井物産エアロスペースが事業全体を支える。
【2031年まで運用、宇宙安全保障の基盤に】
今後は2026年1月に三井物産、三菱電機、スカパーJSATが防衛省と基本協定書を締結し、2月に特別目的会社を設立して事業契約を結ぶ予定だ。事業期間は2031年3月末までの約5年間。6社連携による衛星コンステレーションは、宇宙領域における安全保障基盤の強化と、民間宇宙産業の発展を同時に押し上げる重要な取り組みとなる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)























