富士通とNVIDIA、AIエージェント統合のフルスタック基盤、次世代CPU・GPUで産業革命加速

富士通 6702

■医療・製造・ロボティクス分野から展開、産業横断の変革を狙う

 富士通<6702>(東証プライム)は10月3日、NVIDIAとの戦略的協業を拡大し、AIエージェントを統合したフルスタックAIインフラストラクチャの構築に取り組むと発表した。両社は「FUJITSU-MONAKA」CPUとNVIDIAのGPUを「NVLink Fusion」で接続した高速コンピューティング基盤を共同開発するとともに、医療や製造など特定領域に特化した自律進化型のAIエージェントプラットフォームを提供する。これにより従来の汎用システムの限界を克服し、産業横断でのAI導入を加速させる狙いである。

 両社トップは、日本の産業競争力強化と世界市場展開を見据えた協業の意義を強調した。富士通の時田隆仁社長は「AIによるビジネス変革を加速し、日本が強みを持つ産業から世界に拡大する」と述べ、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは「AI産業革命に不可欠なインフラを共に築く」と語った。背景には生成AIの社会浸透が進む一方で高コストや技術障壁が残り、その恩恵が一部にとどまっている現状がある。両社はそれぞれの強みを持ち寄り、社会全体の課題解決に挑む。

 具体的取り組みは三点に整理される。第一に、マルチテナント対応や「NeMo」「Takane」モデルを活用したAIエージェントプラットフォームの開発。第二に、CPUとGPUを密結合させゼタスケール演算を可能にする次世代基盤の共同開発。第三に、パートナープログラムやユースケース開発を通じたエコシステム拡大である。富士通は2030年までに本インフラを日本のデジタル社会に不可欠な基盤として確立し、企業発展と社会価値創出を同時に実現する方針を掲げた。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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