ティムコ、気候要因で減収もフィッシング用品は堅調推移、EC強化で巻き返し狙う
- 2025/10/14 07:53
- 決算発表記事情報

(決算速報)
ティムコ<7501>(東証スタンダード)は10月10日に25年11月期第3四半期累計業績(非連結)を発表した。減収で各利益は赤字拡大した。春季の荒天や夏の猛暑などの気候要因に加え、物価高を背景とする消費マインド低下に伴い販売が伸び悩んだ。そして通期予想を下方修正(25年7月11日付に続いて2回目)し、各利益は赤字予想とした。積極的な事業展開で26年11月期の収益改善を期待したい。株価は水準を切り上げて年初来高値圏だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になりそうだが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、下値限定的だろう。
■25年11月期3Q累計減収・赤字拡大、通期予想を下方修正
25年11月期第3四半期累計の業績(非連結)は売上高が前年同期比3.5%減の23億29百万円、営業利益が88百万円の損失(前年同期は47百万円の損失)、経常利益が80百万円の損失(同38百万円の損失)、四半期純利益が1億02百万円の損失(同62百万円)の損失だった。減収で各利益は赤字拡大した。
春季の荒天や夏の猛暑などの気候要因に加え、物価高を背景とする消費マインド低下に伴い販売が伸び悩んだ。また仕入原価上昇や滞留商品の一部値引き販売による売上総利益率の低下なども影響した。
フィッシング事業は売上高が2.3%増の6億67百万円、営業利益(全社費用等調整前)が40.3%減の24百万円だった。フライ用品における自社企画のフライロッド(釣竿)や、ルアー用品における一部のルアー(擬似餌)の販売が好調で小幅増収だが、全体としては豪雨や猛暑などの影響を受け、利益面は滞留商品の一部値引き販売による売上総利益率の低下、人件費の増加なども影響した。
アウトドア事業は売上高が5.9%減の16億46百万円、営業利益が56.3%減の21百万円だった。期初は気温低下で防寒衣料・小物が順調だったが、春以降の急激な気温上昇や降水量の低下などの影響で防水ジャケットを中心とした春夏物衣料などが苦戦した。利益面は減収影響に加え、仕入原価上昇も影響した。
その他(主に不動産賃貸収入売上)は、賃貸面積増加により売上高が16.0%増の15百万円、営業利益が23.1%増の9百万円だった。
なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が7億68百万円で営業利益が37百万円の損失、第2四半期は売上高が8億57百万円で営業利益が5百万円、第3四半期は売上高が7億04百万円で営業利益が56百万円の損失だった。
通期の業績(非連結)予想については、25年10月10日付で下方修正(25年7月11日付に続いて2回目)して、売上高が前期比横ばいの32億12百万円、営業利益が59百万円の損失(前期は30百万円の損失)、経常利益が51百万円の損失(同24百万円の損失)、そして当期純利益が87百万円の損失(同1億09百万円の損失)とした。配当予想は据え置いて前期と同額の12円(期末一括)としている。
前回予想(25年7月11日付の修正値、売上高33億51百万円、営業利益5百万円、経常利益10百万円、当期純利益22百万円の損失)に対して、売上高を1億39百万円、営業利益を64百万円、経常利益を61百万円、当期純利益を65百万円それぞれ下方修正した。フィッシング事業、アウトドア事業とも売上高が前回予想を下回り、人件費など各種経費の増加も影響する見込みだ。なお当期純利益については繰延税金資産の一部取崩も影響する。
重点施策として、輸出の強化、話題性のある仕入商材の販促強化、成長分野への注力、EC分野の強化などを推進する。積極的な事業展開で26年11月期の収益改善を期待したい。
■株価は年初来高値圏
株価は水準を切り上げて年初来高値圏だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になりそうだが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、下値限定的だろう。10月10日の終値は1063円、今期予想配当利回り(会社予想の12円で算出)は約1.1%、前期実績PBR(前期実績のBPS1827円68銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約36億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)