マルマエ、26年8月期も大幅増収増益を予想、M&A効果も寄与し収益拡大基調に

(決算速報)
 マルマエ<6264>(東証プライム)は10月10日に25年8月期連結業績を発表した。KMアルミニウム(以下、KMAC)を新規連結して第3四半期より連結決算に移行したため前期との比較はできないが、精密部品事業(マルマエ)が半導体分野を中心とする需要回復に伴って大幅伸長し、機能材料事業(KMAC)の5ヶ月分業績も寄与した。そして26年8月期も大幅増収増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は水準を切り上げて年初来高値圏だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■26年8月期も大幅増収増益予想

 25年8月期の連結業績は売上高が114億03百万円、営業利益が21億03百万円、経常利益が19億36百万円、親会社株主帰属当期純利益が13億55百万円だった。KMACを新規連結して第3四半期より連結決算に移行したため前期との比較はできないが、前期の非連結決算(売上高47億49百万円、営業利益1億56百万円、経常利益42百万円、当期純利益19百万円)に対して大幅増収増益だった。また計画(25年6月20日付の公表値、売上高112億54百万円、営業利益19億円、経常利益17億14百万円、親会社株主帰属当期純利益12億65百万円)に対しては各利益とも超過達成した。配当は前期比10円増配の40円(第2四半期末15円、期末25円)とした。配当性向は37.3%となる。

 精密部品事業(マルマエ)は売上高が77億09百万円で、営業利益(全社費用等調整前)が18億23百万円だった。半導体分野を中心とする需要回復に伴って大幅増収となり、設備稼働率の上昇によって原価率が低下したため大幅増益だった。分野別の売上高は、半導体分野が前期比72.4%増の61億36百万円、FPD分野が27.5%増の12億86百万円、その他分野が46.5%増の61百万円だった。

 機能材料事業(KMAC、25年4月~8月の5ヶ月分)は売上高が36億94百万円、営業利益が3億85百万円(のれん償却額1億25百万円控除後)だった。分野別の売上高は、IT器材分野(半導体・FPD製造用ターゲット材向け消耗材、アルマイト処理など)が13億52百万円、半導体装置部材分野(半導体エッチング装置用の真空チャンバーなど)が7億12百万円、基礎素材分野(電解コンデンサ用・HDD用の高純度アルミなど)が16億25百万円だった。IT器材分野はターゲット材の好調などが牽引した。半導体装置部材分野は真空チャンパーが客先在庫調整の影響で横ばいだった。基礎素材分野は電解コンデンサ用が安定的に推移し、HDD用が好調だったが、小口素材販売が停滞した。なお期末に一部材料の評価減や退職給付の積み増しなどの一時費用70百万円が発生した。

 26年8月期の連結業績予想(KMACを通期連結、25年8月期は5ヶ月分を連結)は、売上高が前期比50.8%増の172億54百万円、営業利益が33.1%増の28億円、経常利益が34.3%増の26億円、そして親会社株主帰属当期純利益が25.4%増の17億円としている。配当予想は前期比16円増配の56円(第2四半期末28円、期末28円)としている。連続増配で予想配当性向は41.7%となる。

 精密部品事業(マルマエ)が半導体分野を中心とする需要回復に伴って伸長し、機能材料事業(KMAC)の通期連結も寄与する。セグメント別計画は、精密部品事業(マルマエ)の売上高が82億円で営業利益が19億円、機能材料事業(KMAC)の売上高が90億円で営業利益が12億円としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は水準を切り上げて年初来高値圏だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。10月10日の終値は1969円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS134円26銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の56円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS643円76銭で算出)は約3.1倍、そして時価総額は約257億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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