【株式市場特集(1)】高市相場で高配当株に資金流入、10月決算企業が主役に
- 2025/10/20 08:42
- 特集

■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト
10月終盤相場は、「高市祭り」か「高市ショック」か「大ドラマ」含みであることは要警戒となる。そのなかでもまず週明けは、助川電気の「金曜日の引けピン」の示唆する通りに「高市祭り」に果敢にチャレンジするのが主軸の投資スタンスになると想定される。その一方で、「大ドラマ」にリスクオン、リスクオフと振り回され続け夜も眠れなくなるのを忌避したいとする市場参加者も少なくないはずだ。そうした投資家は、「大ドラマ」の高市銘柄の圏外にはあるものの、低速でも上りエスカレーター相場の可能性のある「小ドラマ」銘柄への期待を高めることも見込まれる。
■希少な10月決算高配当企業が投資妙味を発揮
そこで今週の当コラムは、「小ドラマ」銘柄として10月決算期会社の高配当銘柄に注目することにした。10月29日の権利付き最終売買日は、きょうを含めてあと8営業日後に迫っており、債券投資の所有期間利回り的感覚からいえば、資金効率は抜群になる。しかも該当銘柄のなかにはすでに「小ドラマ」を演じている銘柄もある。その「小ドラマ」の第一は、何といっても10月決算会社は、もともと3月期決算会社に比べれば少数派であり、4月期決算会社で中間配当を予定している銘柄も含めても高配当銘柄はさらに希少となることにある。
個別銘柄でも「小ドラマ」銘柄があり、クミアイ化学工業<4996>(東証プライム)は、今年6月に今2025年10月期第2四半期(2024年11月~2025年4月期、2Q)業績を農薬の好調推移を要因に上方修正したにもかかわらず、10月10日には一転して10月期通期業績は下方修正し年間配当も期初予想の34円から22円に減配した。株価は、窓を開けて100円安と急落したが、足元では減配した22円配当対応の配当利回り3.1%で踏み止まっている。またケア21<2373>(東証スタンダード)は、利回り3%組であったが、高市銘柄の医療・介護関連株人気で株価が、前週末17日に年初来高値を更新し、逆に配当利回りは2.91%とダウンした。
10月決算会社で利回り3%以上の高配当利回り株は、手集計では13銘柄、4月期決算会社で中間配当実施を予定している銘柄を含めて20銘柄を数えるのみで全市場の1400銘柄超のわずか1.4%である。その20銘柄のほとんどが、内需系で低PER・PBR銘柄である。配当権利落ち後に配当金以上に株価が下落したら元も子もなくなるが、下値抵抗力も期待できるはずだ。投資資金の幾分かを分散して「小ドラマ」展開を期待する下値対応も一法となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)