HIS、沖縄のサウスウイングを子会社化、旅行事業とのシナジーで地域連携を強化

■観光土産店「KID HOUSE」運営会社を買収

 エイチ・アイ・エス(HIS)<9603>(東証プライム)は10月22日、沖縄県那覇市のサウスウイングの株式を取得し、子会社化すると発表した。サウスウイングは観光土産品店「KID HOUSE」を那覇市国際通りで6店舗運営し、「沖縄の海」をテーマにした店舗展開と高付加価値商材の販売で30年以上の実績を持つ。同社は創業以来、旅行事業を中核に「心躍る体験の創出」を掲げており、中期経営計画(2024~2026年)で「新規領域への挑戦」と「コア領域の変革」を成長戦略の柱としている。今回の子会社化はその戦略の一環であり、旅行事業とのシナジーによる事業多角化と収益基盤強化を狙う。

 取得は既存株主である清家昇氏から議決権比率80%に相当する160株を総額9億6000万円で譲り受ける形で行う。株式譲渡契約の締結は10月22日、実行は11月10日を予定している。サウスウイングは資本金1000万円、1988年設立の老舗で、直近の2025年8月期には売上高9億9800万円、経常利益1億6900万円、純利益1億1800万円を計上しており、安定した収益構造を有している。HISは同社をグループに迎えることで、国内外に展開する計298拠点のネットワークを活用し、ツアー客の誘導やホテル・地域創生事業との連携を強化する方針である。

 HISは今回の取得により、沖縄観光市場におけるプレゼンスを高め、観光・地域・物販を融合した新たな事業モデルを構築する考えを示した。業績への影響は軽微と見込むが、サウスウイングは2026年10月期中に連結子会社となる予定。今後も持続的成長に向けた新領域投資を継続し、グループ全体の事業基盤を拡充する方針を掲げている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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