インテージホールディングス、26年6月期1Q大幅営業・経常増益、利益重視策と投資減少が寄与
- 2025/11/5 08:11
- 決算発表記事情報

(決算速報)
インテージホールディングス<4326>(東証プライム)は11月4日に26年6月期第1四半期連結業績を発表した。大幅営業・経常増益だった。売上面は前期の大型案件の反動やCRO事業譲渡の影響で減収だったが、利益を重視したマネジメントの効果、事業譲渡による人件費の減少に加え、新SCIへの切り替え完了に伴う投資減少なども寄与した。そして通期の大幅営業・経常増益予想を据え置いた。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は水準を切り下げて軟調だったが、調整一巡して10月の直近安値圏から切り返しの動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。
■26年6月期1Q大幅営業・経常増益、通期も大幅営業・経常増益予想
26年6月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比4.6%減の143億61百万円、営業利益が3.1倍の5億72百万円、経常利益が5.3倍の5億65百万円、親会社株主帰属四半期純利益が74.2%減の2億92百万円だった。
大幅営業・経常増益だった。前期の大型案件の反動やCRO事業譲渡の影響で減収だが、利益を重視したマネジメントの効果、事業譲渡による人件費の減少に加え、新SCIへの切り替え完了に伴う投資減少なども寄与した。営業利益3億85百万円増益の要因分析は、減収影響で6億96百万円減益、変動費の減少で5億36百万円増益、人件費の減少で2億53百万円増益、経費の減少で15百万円増益、投資の減少で2億78百万円増益だった。なお親会社株主帰属四半期純利益は前期計上の事業譲渡益15億88百万円が剥落して減益だった。
マーケティング支援(消費財・サービス)事業は、売上高が0.2%減の100億41百万円、営業利益が40百万円の損失(前年同期は2億90百万円の損失)だった。売上面はCo(コミュニケーション分野)が14%減収、海外(ヘルスケア除く海外子会社)が9%減収と低調だったため全体として微減収だが、主力のパネル調査(SRI+、SCI)が3%増収、CR(カスタムリサーチ)が3%増収と堅調に推移し、NTTドコモと推進するマーケティングソリューション事業も順調だった。利益面は新SCIへの切り替え完了に伴う投資減少により営業損失が縮小した。
マーケティング支援(ヘルスケア)事業は、売上高が14.4%減の27億27百万円、営業利益が81.1%増の5億07百万円だった。売上面は期ズレの影響でCR(製薬企業・医療機器メーカー向けカスタムリサーチ)が15%減収、プロモーション(協和企画におけるプロモーション関連事業)が14%減収となったほか、CRO事業(前年同期の売上高は3億28百万円)売却も影響して2桁減収だが、パネル調査が前期に実施した値上げ効果や処方箋DBの拡大によって14%増収と好調に推移した。利益面は事業譲渡による人件費の減少などにより収益性が大幅に改善した。
ビジネスインテリジェンス事業は、売上高が11.9%減の15億92百万円、営業利益が46.4%減の1億05百万円だった。BPO(業務効率化等のBPOサービスやシステム維持管理)が5%増収と堅調だったが、SI(システム開発)が旅行業界の一部顧客における案件減少で25%減収、DX(企業のDX関連領域の推進支援)が子会社ビルドシステムにおける前期のローコード開発案件の反動で11%減収だった。
通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が前期比6.8%増の700億円、営業利益が32.0%増の56億円、経常利益が33.1%増の55億円、親会社株主帰属当期純利益が8.7%減の32億円としている。配当予想については前期比3円増配の48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。連続増配で予想配当性向は57.3%となる。
親会社株主帰属当期純利益は前期計上の事業譲渡益が剥落して減益だが、各事業が堅調に推移して増収、大幅営業・経常増益、そして連続増配予想としている。第1四半期の進捗率は売上高21%、営業利益10%、経常利益10%、親会社株主帰属当期純利益9%と低水準の形だが、第2四半期と第3四半期の構成比が高くなる傾向があることに加え、当第1四半期はマーケティング支援(ヘルスケア)事業における期ズレも影響している。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は切り返しの動き
株価は水準を切り下げて軟調だったが、調整一巡して10月の直近安値圏から切り返しの動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。11月4日の終値は1689円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS83円80銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の48円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS867円52銭で算出)は約1.9倍、そして時価総額は約683億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)





















