JPホールディングスは21年3月期大幅営業・経常増益、22年3月期は営業・経常減益予想だが保守的

(決算速報)
 JPホールディングス<2749>(東1)は5月13日の取引時間中に21年3月期連結業績を発表した。新規施設開設、既存施設受入児童数増加、販管費抑制、補助金収入増加などで従来予想を上回る大幅営業・経常増益だった。22年3月期は新型コロナ影響や賞与引当金増加などで営業・経常減益予想としている。ただし保守的だろう。なお新中期経営計画および株主優待制度廃止も発表している。株価は営業・経常減益予想を嫌気する動きが優勢となったが下値限定的だろう。

■21年3月期は大幅営業・経常増益、22年3月期は営業・経常減益予想

 21年3月期の連結業績は売上高が20年3月期比3.8%増の329億11百万円、営業利益が47.4%増の22億68百万円、経常利益が47.1%増の29億47百万円、親会社株主帰属当期純利益が52.1%減の5億37百万円だった。配当は20年3月期と同額の3円90銭(期末一括)とした。

 新規施設開設、既存施設受入児童数増加、販管費抑制、補助金収入増加などで従来予想(3月29日に売上高を下方、営業・経常利益を上方、特別損失計上で当期純利益を下方修正)を上回る大幅営業・経常増益だった。新型コロナウイルスの影響として、売上面で一部施設の臨時休園・休室・休館というマイナス要因があったが、利益面では臨時休園・休室・休館に伴う給食食材費の減少も寄与した。営業外収益では寮利用者増加に伴って補助金収入が増加した。特別損失には一部施設の閉園に伴う園減損損失20億20百万円を計上した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高78億35百万円で営業利益93百万円、第2四半期は売上高81億20百万円で営業利益5億39百万円、第3四半期は売上高82億73百万円で営業利益7億30百万円、第4四半期は売上高86億83百万円で営業利益9億06百万円だった。なお期後半に向けて稼働率上昇などで利益が増加する収益特性があり、営業外収益の補助金収入も期後半に計上する傾向がある。

 22年3月期の連結業績予想は売上高が21年3月期比0.9%増の332億円、営業利益が20.6%減の18億円、経常利益が22.0%減の23億円、親会社株主帰属当期純利益が2.7倍の14億50百万円としている。配当予想は60銭増配の4円50銭(期末一括)である。

 新型コロナウイルスの影響などで受入児童数の減少を想定し、新人事制度導入に伴う賞与引当金の増加などで営業・経常減益予想としている。ただし保守的だろう。当期純利益は減損損失が一巡して大幅増益予想である。

 新中期経営計画の目標値には24年3月期売上高347億円、経常利益35億円を掲げた。さらに株主への公平な利益還元の観点から株主優待制度廃止も発表した。

■株価は下値限定的

 株価は営業・経常減益予想を嫌気する動きが優勢となったが下値限定的だろう。5月13日の終値は287円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS16円58銭で算出)は約17倍、時価総額は約252億円である。

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