
■虚血性心疾患と拡張型心筋症を対象、14人で安全性と有効性を検証
Heartseed<219A>(東証グロース)は11月4日、他家iPS細胞由来心筋球「HS-005」による第Ⅰ/Ⅱ相企業治験(EMERALD試験)について、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)による治験届の30日調査が完了し、国内での治験開始が正式に可能となったと発表した。同治験は虚血性心疾患および拡張型心筋症による重症心不全患者を対象とし、心筋再生医療の臨床応用に向けた重要な段階となる。
EMERALD試験では、心収縮力が低下した心不全(HFrEF)の患者14人(虚血性心疾患7人、拡張型心筋症7人)を対象に、低侵襲なカテーテルシステムを用いて心筋内に心筋球を投与し、安全性と有効性を検証する。治験は倫理審査委員会(IRB)の承認後、2026年に患者への投与を開始する計画である。同社は日本ライフラインと共同開発した投与カテーテルシステムを用い、心臓内の3Dマッピングにより標的位置への高精度な投与を実現する技術基盤を有する。
HS-005は、他家iPS細胞から高純度に作製された心室型心筋細胞を球状の微小組織として投与する再生医療プログラムであり、生着率向上や血管新生の誘導による心機能改善が期待される。同社は2024年に東証グロース市場へ上場し、心筋再生医療の実用化を目指して研究開発を進めている。今回の治験開始決定による業績予想の修正はなく、臨床開発の進展と治療選択肢の拡大に向けた一歩と位置付けられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)























