【どう見るこの株】ホクリヨウ、連日の上場来高値、鶏卵相場高騰で業績再上ぶれ期待

どう見るこの株

■12日決算前に買い増勢鮮明、割安感も注目

 ホクリヨウ<1384>(東証スタンダード)は、前日4日に168円高の2950円と3営業日続伸して引け、東証スタンダード市場の値上り率ランキングの第27位にランクインするとともに、取引時間中には3005円と上値を伸ばす場面ばがあり、連日の上場来高値更新となった。今年10月22日に北海道白老町の家きん農場で今シーズン国内初の鳥インフルエンザの発生が確認され、46万羽の採卵鶏が殺処分されたことから、鶏卵相場が高水準で推移しており、11月12日に予定している今2026年3月期第2四半期(2025年4月~9月期、2Q)累計決算の発表を前に業績再上ぶれ期待を高めて割安株買いが増勢となった。同社は、今年8月にも今期第1四半期(2025年4月~6月期、1Q)決算の発表とともに、今期通期業績を上方修正し増配しており、再現を催促する値動きにもつながっている。

■鶏卵相場は8月の業績上方修正時よりさらに1キロ=20円アップ

 同社は、1Q決算発表時に今3月期通期業績を上方修正したが、この1Q時点の鶏卵価格は、北海道Mサイズが、1キロ=328円65銭、東京Mサイズが同様に337円86銭としていた。ただ今年2月に鳥インフルエンザの感染拡大で840羽の採卵鶏が殺処分され、供給力不足が完全に回復しないことや全国的な猛暑の影響などから鶏卵相場は高値で推移し、今回の国内初の感染確認もあり、足元では東京Mサイズは1キロ=356円とさらに約20円高と上値追いとなっている。またこれからクリスマスシーズンを迎えた卵の需要期入りとなることも、需給的に相場押し上げ要因として観測されている。

 今年8月に上方修正された今3月期業績は、売り上げ235億円(前期比10.1%増)、営業利益30億5000万円(同36.1%増)、経常利益24億6000万円(同40.2%増)、純利益24億2000万円(同20.1%増)と見込まれ、純利益は、連続して過去最高を更新し、配当も70円(前期実績70円)に増配し期初の減配予想が前期と横並びとなる。11月12日予定の今期2Q累計決算発表時の業績ガイダンスが注目される。

■25日線に下値をサポートされPER12倍の割安修正で上値チャレンジ

 株価は、今年8月の今期業績の上方修正・増配を受け窓を開けて急伸し2580円高値まで44%高し、その後25日移動平均線で下値をサポートされる高値もみ合いを続けてきたが、北海道白老町の鳥インフルエンザ発生とともに大陽線を引き上場来高値追いとなった。それでもPERは12.2倍と市場平均を下回ってなお割安であり、上値チャレンジが続こう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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