ヴィスコ・テクノロジーズは目先的な売り一巡、22年3月期2Q累計大幅増益で通期上振れの可能性

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 ヴィスコ・テクノロジーズ<6698>(東2)は画像検査処理装置のファブレスメーカーである。22年3月期第2四半期累計は車載関連などが好調に推移して大幅増益だった。通期予想は不透明感を考慮して据え置いたが上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。なお新市場区分に関してはスタンダード市場選択申請を決議した。株価は戻り高値圏から急反落の展開となった。第2四半期累計業績に対してネガティブ反応が優勢になったが、目先的な売り一巡して出直りを期待したい。

■画像検査処理装置のファブレスメーカー

 画像検査処理装置のファブレスメーカーである。コネクタ部品やMEMS(Micro Electro Mechanical System)など電子部品業界向けを主力として、自動車部品や半導体などの顧客開拓も推進している。20年4月にはマレーシアの販売子会社(19年10月設立)が営業開始した。

 21年3月期の検査対象用途別売上高構成比は電子部品48%、コネクタ42%、半導体6%、その他4%、最終用途別売上高構成比はスマートフォン54%、車載機器21%、民生機器(PC、家電等)15%、産業機器5%、その他5%だった。

 成長に向けた重点施策として、コネクタ検査分野の更なる深耕と電子部品・半導体分野の新規顧客開拓、新規領域(コネクタ・電子部品・半導体分野以外)への展開、グローバルネットワークの強化などを推進している。

■22年3月期2Q累計大幅増益で通期上振れの可能性

 22年3月期の連結業績予想(収益認識基準適用だが影響軽微)は、売上高が21年3月期比13.0%増の42億50百万円、営業利益が2.7%増の6億70百万円、経常利益が3.1%増の6億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が2.1%増の4億40百万円としている。配当予想は未定としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比12.6%増の20億01百万円、営業利益が30.7%増の3億63百万円、経常利益が37.3%増の3億76百万円、親会社株主帰属四半期純利益が41.0%増の2億45百万円だった。

 スマホ5G関連大型設備投資による需要は第1四半期で一段落したが、車載関連や民生機器関連の用途が増加し、コロナ禍による営業活動制限で営業関連費用が減少したことも寄与して、計画を上回る大幅増益だった。

 通期予想は不透明感を考慮して据え置いた。車載関連などが堅調に推移して増収増益予想としている。研究開発投資(人的投資が中心)や営業強化に伴う人件費増加などで各利益は小幅増益にとどまる見込みとしているが保守的だろう。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が47.1%、営業利益が54.2%、経常利益が57.0%、親会社株主帰属当期純利益が55.8%と順調だった。通期予想は上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は目先的な売り一巡

 株価は戻り高値圏から急反落の展開となった。第2四半期累計業績に対してネガティブ反応が優勢になったが、目先的な売り一巡して出直りを期待したい。11月22日の終値は1224円、時価総額は約78億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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