京写、中間期は損失縮小で収益改善に手応え、販売価格適正化とコスト改善が進展

(決算速報)
 京写<6837>(東証スタンダード)は11月14日に26年3月期第2四半期累計(以下、中間期)連結業績を発表した。減収減益だった。国内では販売価格適正化やコスト改善の効果で営業損失縮小したが、主力の自動車関連の需要が国内外で低迷したほか、インドネシアにおける増産に向けた設備増強に伴う稼働調整なども影響した。そして通期業績・配当予想を下方修正した。自動車関連の需要低迷が継続する見込みだ。積極的な事業展開で27年3月期の収益回復基調を期待したい。株価は8月の年初来安値圏から反落してモミ合う展開が続いている。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、下値は限定的だろう。

■26年3月期中間期減益、通期業績・配当予想を下方修正

 26年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比3.6%減の123億51百万円、営業利益が49.1%減の3億38百万円、経常利益が51.0%減の2億19百万円、親会社株主帰属中間純利益が60.1%減の1億07百万円だった。

 減収減益だった。国内では販売価格適正化やコスト改善の効果で営業損失縮小したが、主力の自動車関連の需要が国内外で低迷したほか、インドネシアにおける増産に向けた設備増強に伴う稼働調整なども影響した。なお営業外では為替差損益が70百万円改善(前期は差損50百万円、当期は差益20百万円)した。

 地域別セグメント業績(売上高はセグメント間内部取引を含む)は、日本の売上高が前年同期比3.1%増の52億22百万円で営業利益が62百万円の損失(前年同期は92百万円の損失)、中国の売上高が8.6%減の64億82百万円で営業利益が25.7%減の4億31百万円、インドネシアの売上高が6.4%減の13億02百万円で営業利益が1億23百万円の損失(同0百万円)、メキシコの売上高が18.4%減の76百万円で営業利益が3百万円(同1百万円)、ベトナムの売上高が11.0%減の19億90百万円で営業利益が79.0%減の41百万円だった。

 製品別売上高は片面板が0.6%減の49億45百万円、両面板(多層板、銀スルーホール基板を含む)が10.0%減の48億87百万円、アルミ基板が21.7%増の8億70百万円、実装関連が5.0%減の13億18百万円、その他が8.9%増の3億31百万円だった。用途別売上高は自動車関連が9.6%減の51億89百万円、家電製品が11.0%増の25億08百万円、事務機関連が8.2%減の15億44百万円、電子部品が4.6%減の7億67百万円、電気機器が1.6%増の3億85百万円、その他(映像機器、音響機器、アミューズメントなど)が15.3%増の6億40百万円、実装関連が5.0%減の13億18百万円だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が61億18百万円で営業利益が1億83百万円、第2四半期は売上高が62億33百万円で営業利益が1億55百万円だった。

 通期連結業績予想は11月14日付で下方修正して、売上高が前期比8.5%減の240億円、営業利益が45.2%減の7億円、経常利益が53.6%減の4億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が64.2%減の2億20百万円とした。配当予想も11月14日付で期末9円下方修正して、前期比6円減配の5円(期末一括)とした。予想配当性向は33.1%となる。

 前回予想(25年5月20日付の期初公表値、売上高270億円、営業利益16億円、経常利益12億円、親会社株主帰属当期純利益8億円)に対して、売上高を30億円、営業利益を9億円、経常利益を7億40百万円、親会社株主帰属当期純利益を5億80百万円、それぞれ下方修正した。販売価格適正化やコスト改善に継続的に取り組むが、自動車関連の需要低迷が継続するほか、金属基板の量産立ち上げに伴う費用増加なども影響する見込みだ。積極的な事業展開で27年3月期の収益回復基調を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は8月の年初来安値圏から反落してモミ合う展開が続いている。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、下値は限定的だろう。11月14日の終値は366円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS15円12銭で算出)は約24倍、今期予想配当利回り(会社予想の5円で算出)は約1.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS676円53銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約54億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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