冨士ダイス、26年3月期中間期利益が計画超、通期増益予想で収益回復基調、コスト削減効果で収益改善が進展

(決算速報)
 冨士ダイス<6167>(東証プライム)は11月14日に26年3月期第2四半期累計(以下、中間期)連結業績を発表した。売上面は計画を下回ったが、各利益はコスト削減効果などで計画を上回った。通期予想は据え置いた。需要が回復に向かい増収増益予想としている。積極的な事業展開で収益回復基調だろう。株価は動意づいて急伸する場面があったが、買いが続かず反落し、モミ合いレンジに回帰した。高配当利回りや低PBRなども評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■26年3月期中間期利益は計画超、通期増益予想据え置き

 26年3月期中間期の連結業績は売上高が前年同期比1.7%増の84億17百万円、営業利益が10.7%増の3億22百万円、経常利益が22.3%減の3億06百万円、親会社株主帰属中間純利益が21.5%減の1億96百万円だった。

 計画(25年5月15日付の期初公表値、売上高87億20百万円、営業利益2億20百万円、経常利益2億70百万円、親会社株主帰属中間純利益1億70百万円)に対して、売上高は鉄鋼関係の需要減少の影響で計画を下回ったが、各利益はコスト削減効果や、一部予定していた経費の発生が遅れた影響などで計画を上回った。前年同期比では、超硬製金型類の好調などで増収・営業増益だった。なお営業外では補助金収入が60百万円減少(前期は63百万円、当期は3百万円)したほか、為替差損益が59百万円悪化(前期は差益17百万円、当期は差損42百万円)した。

 製品別の売上高は、超硬製工具類が0.2%減の20億49百万円、超硬製金型類が12.1%増の23億01百万円、その他超硬製品が8.4%増の23億47百万円、超硬以外の製品が14.3%減の17億19百万円だった。超硬製工具類は冷間圧延関連工具が堅調だったが、前期好調だった熱間圧延ロールが低調だった。超硬製金型類は製缶金型、電池関連金型、モーターコア用金型が好調に推移した。その他超硬製品は前期好調だった半導体製造装置向けの需要が落ち着いたが、超硬素材の販売が好調だった。超硬以外の製品は混練工具等の販売が低調だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が41億25百万円で営業利益が1億75百万円、第2四半期は売上高が42億92百万円で営業利益が1億47百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が前期比6.5%増の176億70百万円、営業利益が22.9%増の6億円、経常利益が16.1%増の7億円、親会社株主帰属当期純利益が8.0%増の4億60百万円としている。配当予想は前期と同額の40円(期末一括)としている。予想配当性向は173.0%となる。

 26年3月期は需要が回復に向かい増収増益予想としている。中間期の進捗率は売上高が48%、営業利益が54%、経常利益が44%、親会社株主帰属当期純利益が43%である。積極的な事業展開で収益回復基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は動意づいて急伸する場面があったが、買いが続かず反落し、モミ合いレンジに回帰した。高配当利回りや低PBRなども評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。11月14日の終値は865円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS23円12銭で算出)は約37倍、今期予想配当利回り(会社予想の40円で算出)は約4.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1042円93銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約173億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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