ケンコーマヨネーズ、通期下方修正も総菜関連事業は堅調、連続増配と自己株式取得で株主還元を強化

(決算速報)
 ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)は11月14日に26年3月期第2四半期累計(以下、中間期)連結業績を発表した。鶏卵相場の想定以上の高止まりなど原材料価格高騰の影響で減益だった。そして通期予想を下方修正した。商品統廃合による販売機会の減少、コスト上昇に対する販売価格への反映遅れなどが影響する見込みだ。積極的な事業展開で27年3月期の収益回復を期待したい。なお自己株式取得を発表した。11月17日の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)において取得(上限54万3000株または11億40百万円)する。株価は反発力が鈍くモミ合う形だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、下値限定的だろう。

■26年3月期中間期減益、通期予想を下方修正

 26年3月期中間期の連結業績は売上高が前年同期比1.1%減の459億41百万円、営業利益が39.1%減の19億44百万円、経常利益が38.7%減の20億04百万円、そして親会社株主帰属中間純利益が44.6%減の12億45百万円だった。

 売上面は昨年度採用されていたタマゴ加工品、サラダ・総菜類の減少や商品統廃合による販売機会減少などの影響で減収となり、利益面は鶏卵相場の想定以上の高止まりなど原材料(鶏卵・野菜)価格の高騰のほか、物流費や人件費の増加、コスト上昇に対する販売価格への反映遅れなども影響して減益だった。

 調味料・加工食品事業(同社単体ベースの事業)は、売上高(外部顧客に対する売上高)が0.2%減の366億35百万円、営業利益(セグメント間取引等調整前)が47.4%減の14億03百万円だった。減収減益だった。売上面はサラダ・総菜類がパスタサラダなどの減少により減収、タマゴ加工品が昨年度からのメニュー変更に伴うスクランブルエッグの減少などで減収、マヨネーズ・ドレッシング類が外食向けの増加により増収だった。

 総菜関連事業等(連結子会社の事業)は売上高が4.0%減の89億27百万円、営業利益が14.9%増の5億15百万円だった。売上面は販売先における一部内製化の影響により減収だったが、利益面は価格改定効果により増益だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が226億75百万円で営業利益が7億62百万円、第2四半期は売上高が232億66百万円で営業利益が11億82百万円だった。

 通期連結業績予想は11月14日付で下方修正して、売上高が前期比1.2%増の928億円、営業利益が21.6%減の38億円、経常利益が21.0%減の39億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が29.5%減の24億70百万円としている。配当予想は据え置いて前期比4円増配の47円(第2四半期末23円、期末24円)としている。連続増配で予想配当性向は28.4%となる。

 前回予想(25年5月12日付の期初公表値、売上高955億円、営業利益48億円、経常利益49億70百万円、親会社株主帰属当期純利益32億17百万円)に対して、売上高を27億円、営業利益を10億円、経常利益を10億20百万円、親会社株主帰属当期純利益を7億47百万円それぞれ下方修正した。商品統廃合による販売機会の減少、コスト上昇に対する販売価格への反映遅れなどが影響する見込みだ。積極的な事業展開で27年3月期の収益回復を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は反発力が鈍くモミ合う形だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、下値限定的だろう。11月14日の終値は1905円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS165円32銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の47円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2678円13銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約314億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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