カゴメ、英国Silbury社を子会社化へ、欧州トマト加工事業を再編

■2026年1月に株式取得、4月にHIT社株を移管し欧州体制を再構築

 カゴメ<2811>(東証プライム・名証プレミア)は11月21日、英国の食品ディストリビューターであるSilbury Marketing Ltd(Silbury社)の全株式を取得し、連結子会社化する株式譲渡契約を締結したと発表した。株式取引の実行日は2026年1月5日(英国時間)を予定し、取得価額は概算25,077千ポンド(50億1500万円)となる。同社はこの再編に合わせ、2026年4月を目途に連結子会社HIT社の株式をSilbury社へ譲渡し、同社をHIT社の親会社とする。欧州でマーケティングから生産・販売まで一体運営できる体制を整える狙いである。

 Silbury社は英国および欧州に顧客基盤を持ち、トマト加工品やオイル製品を扱う食品ディストリビューターである。同社は2007年にHIT社へ出資し、HIT社製品の英国独占販売権を有するなど、カゴメとの連携を深めてきた。欧州のトマト加工品市場は今後もフードサービス分野を中心に成長が見込まれ、主要生産地と主要消費地が地理的に離れていることから、生産と販売を結びつけるディストリビューターの役割が重要性を増している。

 カゴメは国際事業の比率が拡大する中、欧州事業の競争力強化を中長期戦略の柱としており、今回の連結子会社化により、顧客ニーズを反映した商品開発や供給体制の強化を進める。Silbury社とHIT社はいずれもトマト加工事業に強みを持つため、欧州域内での販売戦略や供給網の最適化が期待される。同件による2025年12月期連結業績への影響は軽微とされ、今後、追加開示が必要な事項は速やかに公表するとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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