【話題株】大塚家具は「筆頭株主の異動」影響か、配当額を上回る下げ、「株主還元重視」には期待

大塚家具

 大塚家具<8186>(JQS・売買単位100株)は2015年12月の期末配当を80円の見込みとし、権利落ち日となった28日の大引けは126円安の1480円だった。教科書的な見方をすれば、外部要因に変化がない場合は配当と同額の80円安になるのが妥当。

 このため、25日に発表した「主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」がけっこう影響したとの見方が出ている。

 「お知らせ」は、25日に関東財務局に提出された大量保有報告書(変更報告書)により、異動前(6月30日現在)は議決権割合にして18.88%の筆頭株主だった大塚勝久前会長が同10.00%の第2位株主になり、代わって資産管理会社・ききょう企画が10.15%の筆頭株主になったとするもの。

 同社は15年2月に発表した中期計画で、株主還元指標としてDOE(株主資本配当率)を重視し、今期の配当金予想を40円から80円に引き上げるとしたが、このとき株式市場では、この増配が株主総会を前にした主導権確保といった思惑があった。このため、筆頭株主の交代により、今後は高配当を維持する必要性が薄れるのではないかと勘繰る様子もある。

 ただ、28日の値動きを見ると、安く始まって高く終わる典型的な「陽線」になり、安値は9時9分につけた14%安の1383円(223円)だったが、高値は14時16分につけた7%安の1500円(106円安)。前段で触れたように、中期計画では「株主還元指標としてDOE(株主資本配当率)を重視」などとしたため、業績動向などによほどの変動がない限りは引き続き株主還元を重視する経営が見込める可能性はある。しばらくは、3カ月ほど続いたモミ合い相場の下限ゾーンを割り込んだため下値メドを探る展開が想定されるが、事業モデルの転換などで、新年も引き続き注目余地の高い銘柄といえそうだ。

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