【業績でみる株価】一蔵は上場後強い相場展開、第3四半期で通期予想利益を上回る

業績でみる株価

 一蔵<6186>(東2・100株)は、昨年12月25日に上場、株価は上場後高値1259円と同安値854円の「中間値」(1056円)を上回り1100円前後で強い展開である。新規上場銘柄の多くが値を崩す中で特筆される動きといえる。

 振袖、和装小物などきもの一式を自社店舗、チェーン専門店、一般呉服店、ネット通販、百貨店などで販売・レンタルを全国展開する。各店舗に専属カメラマンを配置し写真・アルバムのデザイン提供を行っている。

 以前は資産として高価な着物を所有し特別な機会にのみ着用することが多かったが、近年では、ファッションとして、「着て楽しむ」消費者が増加、「所有」から、「使用」に大きく変化している。外国人観光客の急増で日本の伝統的な着物文化に憧れが持たれ、「おもてなし」の代表にもなっている。川越市では、着物の日(ゆかた)が定番となっており、古風な町並みとマッチして優雅さをかもし出している。外国人の着物姿も多く目にふれる。

 上場後初決算の2016年3月期・第3四半期(4~12月)の売上は1058600万円(前年同期との比較なし)だった。営業利益は10億5100万円だった。セグメント売上は、(1)和装事業が65億5200万円(構成比率61.9%)、(2)ウエイディング事業39億3400万円(同37.2%)。

 とくに、営業利益は通期(16年3月期)予想の10億2000万円を第3四半期で上回った。今期売上は前期比5.4%増の137億7400万円、1株利益152.0円、配当は期末一括の年35円の見通し。

 株価は上場時初値1236円は下回っているものの、前述のように相場強弱の目安となる中間値を上回り、今日の株価1064円で弾いた利回りは3.3%とたいへん魅力的である。PERでも7.0倍と割安水準だ。配当取りで中期注目できる銘柄といえる。全般相場が回復に転じれば1500~1800円相場は期待できそうだ。

 

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■歯周病の進行抑制に向け、老廃物除去と免疫調整の2軸で研究  ライオン<4912>(東証プライム)…
  2. ■バリア性能と印刷適性を両立、2030年までに10億円売上目指す  大日本印刷<7912>(東証プ…
  3. ■胃がん・大腸がん対策で「Train the Trainerプログラム」を展開  オリンパス<77…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  2. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…
  3. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  4. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…
  5. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  6. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る