【編集長の視点】エストラストは配当・優待制度権利落ち後で続落も連続最高業績を買い直して再騰有望

編集長の視点

 エストラスト<3280>(東1)は、きょう25日が2016年2月期配当と初導入した株主優待制度の権利落ち日となっており、スンナリこの落ち分通りに39円安の562円と3日続落して始まっている。ただ同社は、今年4月に発表予定の前2月期業績が、過去最高を更新して着地し、来2017年2月期純利益も、引き続き過去最高更新が観測されていることを見直し、突っ込み場面では内需割安株買いも交錯している。優待制度込みで実質配当利回りが、4.9%と市場平均を大きく上回ることも、引き続き買い手掛かりとなっている。

■初導入の株主優待制度では100株保有でクオカード2000円分を贈呈

 同社の期末まであと4日と迫った2016年2月期業績は、売り上げ131億円(前期比9.7%増)、経常利益9億7000万円(同1.7%増)、純利益6億6000万円(同2.4%増)と続伸が予想され、純利益は連続して過去最高を更新する。山口県を地盤に九州・中国地方に展開して分譲マンション、戸建て住宅を開発・販売しており、分譲マンションでは、2月通期引渡予定戸数370戸に対して第3四半期までに393戸契約と契約進捗率は106.2%増と好調に推移しており、人件費増やマンション建築費の上昇、積極的な営業推進に伴う広告宣伝費の増加などを吸収して好業績が続く。

 配当は、期初に2014年8月の東証第1部上場の記念配当2円を落とし8円(前期実績10円)としていたが、今年1月に株主優待制度の初導入を発表、100株以上を保有している株主にクオカード2000円分を贈呈することとした。

 続く来2017年2月期業績も、マンション分譲実績で山口県でトップ、九州地方でも上位にランクされ、さらに日銀によるマイナス金利導入に伴う住宅ローン金利低下の追い風も吹くことから続伸が有力で、東洋経済会社四季報最新号では、来期純利益を6億円の連続過去最高更新と観測している。4月予定の決算発表が要注目となる。

■PER5倍台、優待制度込み実質利回り4.9%の修正でまず昨年来高値奪回に弾み

 株価は、昨年夏の中国ショックの波及でつけた昨年来安値495円から下げ過ぎとして戻りを窺い、500円台を出没したが、株主優待制度導入では実質配当利回りが5.36%と高利回りになるとしてストップ高、668円高値まで急伸し25日移動平均線水準での中段固めを続けてきた。PERは6倍台と割安で、株主優待制度込みで4.98%の高配当利回りも継続することから、25日線上抜いて弾みをつけまず昨年来高値715円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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