【編集長の視点】インフォメティスはAI電力可視化技術で通期大幅増益見通し、スマートメーター市場拡大で業績急回復へ

■信用残整理が進捗し業績予想レンジ上限値を手掛かりに下げ渋る

 インフォメティス<281A>(東証グロース)は、前日11日に60円安の1495円と円と3営業日続落して引けた。日経平均株価は、連日の上場来高値更新となり初めて終値として4万4000円台に乗せたが、東証グロース市場指数が、1.09%安と反落してフシ目の1000ポイントを割ったことから、ストップ高を交えて今年8月25日に上場来高値2185円まで約5割高していた同社株にも手仕舞い売りが続いた。ただこの日の取引時間中につけた安値1449円から小戻しており、下げ渋る動きも窺わせた。ファンダメンタルズ面では、同社の今12月期第2四半期(2025年1月~6月期、2Q)累計業績は、赤字幅を拡大させて着地したが、12月期通期業績は、レンジで予想され、AI(人工知能)で電力使用量を可視化・省力化する次世代スマートメーターの新規設置が、今期第4四半期(4Q)に寄与するケースの上限値では純利益が、前期比3.35倍増益と見込まれていることが見直されている。また株式需給的には、信用買い残の整理が、直近ピークから進捗し、テクニカル的には、足元で5割高した株価が、この日の安値で往って来いとなり、調整一巡感を強めており、持ち前の急騰特性の再発揮も期待されている。

■次世代スマートメーターの設置調整完了なら純利益は3.3倍増益

 同社の今12月期2Q業績は、売り上げ2億5100万円(前年同期比46.6%減)、営業利益2億7400万円の赤字(前年同期は1100万円の赤字)、経常利益2億1800万円の赤字(同3500万円の黒字)、純利益2億1900万円の赤字(同3700万円の黒字)で着地し、減収・赤字幅拡大となった。次世代スマートメーターの関連プロジェクトが、テストビジネスを完了し次のステージに移行したために売り上げが下押されたことなどが要因となった。ただこれを除いたARP(年次経常収支)は、3億8408万円(同11.4%増)となっており、4Qに次世代スマートメーター関連の売り上げが集中する期初のレンジ予想の通期業績のガイダンスを据え置いた。

 今12月期通期業績は、大口顧客の電力センサーの設置オペレーションの調整が今期下期に完了するケースを上限値、完了しないケースを下限値として予想し、売り上げは13億2500万円~17億4700万円(前期比32.2%増~74.3%増)、営業利益1億1500万円~2億8200万円(同27.9%増~3.61倍)、経常利益1億2500万円~3億700万円(同49.9%増~3.67倍)、純利益1億1500万円~2億8500万円(同35.3%増~3.35倍)と見込まれている。なお次世代スマートメーター国内売り上げは、関東地方だけでも年間平均400万台のペースで設置され、2031年までの設置台数は2900万台と予測されており、同社の成長戦略の核となる。

■過去4回のストップ高を演じた急騰特性を発揮し最高値に再挑戦

 株価は、昨年12月に公開価格1080円で新規株式公開(IPO)され、公開価格を下回る993円で初値をつけ、1313円まで買い直されたが、前期業績の下ぶれ着地・今期業績のレンジ予想、さらに今期第1四半期の赤字業績が続いて上場来安値564円まで調整した。同安値から同社が推進している機器分離推定技術(NILM)が世界標準規格として発行したことを好感して3日連続のストップ高を交えて2105円高値へ急騰する大化けを演じた。その後の1384円の調整安値からは信用取引規制の解除を受けストップ高を交えて上場来高値2185円へ約5割高を演じた。信用買い残は、直近ピークの7月初めから約25万株減少し、5割高した株価も、足元ではほぼ往って来いとなって値ごろ的にも目先調整一巡感も示唆しており、過去4回もストップ高を演じた急騰特性の再発揮を期待して下値の打診買いも一考余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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