【編集長の視点】中本パックはもみ合いも公開価格水準で底固く下値には超割安直近IPO株買いが継続

編集長の視点

 中本パックス<7811>(東2)は、9円高の1434円と反発して始まったあと、10円安と下ぶれるなど前日終値水準を挟んでもみ合っている。同社株は、今年3月3日に公開価格1470円で新規株式公開(IPO)されたばかりで、きょう19日に1日に6社が同時上場されるIPOラッシュとなり、週末からの3連休を控え、さらに円高・ドル安の進行で日経平均株価が、220円安と4日続落してスタートしていることなどが響いて同社株にも売り買いが交錯している。ただ下値には、IPO株としては人気薄の東証第2部上場でIPO人気は限定的となったが、同社の株価が、PER7倍台と超割安に放置され、すでに配当権利落ちとなっているが、配当も62.5円と高水準であり、公開価格近辺で底固いことなどを見直し直近IPO株買いは継続している。業態そのものは、オールド・エコノミーに属するが、主力のフィルム製品で、食品向けのほかスマートフォン用、医療用などにハイテク・バイオ産業向けに多角展開していることも評価されている。

■スマホ用遮光フィルムや湿布用離型フィルムも展開し配当も62.5円と高水準

 同社は、前期実績で売り上げの約65%を占める食品向けパッケージのグラビア印刷を中心に、同約14%のIT・工業材関連事業、同4%の医療・医薬関連事業などの事業を幅広く展開している。食品向けでは乳製品のシュリンクフィルムやコンビニエンスストア向け弁当・おにぎり容器用フィルムなどをグラビア印刷加工し、IT・工業材事業では、スマートフォン向け遮光フィルム、リチウムイオン電池のコーティング加工、自動車向けの天井・内装部材、医療・医薬関連事業では、湿布用離型フィルムなどを製造・販売している。

 目下集計中の2016年2月期業績は、売り上げ303億円(前期比3.4%減)、営業利益10億8100万円(同9.6%増)、経常利益11億2000万円(同3.8%減)、純利益6億7500万円(同13.1%増)と予想されている。売り上げと経常利益は、食品関連での冷夏・暖冬などの異常気象や、原油価格下落に伴う顧客企業の値下げ要請、為替変動に対応した為替差損計上などで伸び悩むが、純利益は、配送センターの一部売却による資産売却益が寄与して増益となる。配当も、62.5円と高水準を予定している。

■「小さく産んで大きく育てる」IPO株の投資鉄則実践の絶好のチャンスを示唆

 株価は、公開価格を10円上回る1480円で初値をつけ上場来高値1501円へ上ぶれたが、その後は1400円台下位での小動きを続けてきた。上場所属市場が、IPO株として人気薄の東証第2部となったことが響いているが、この人気薄は、IPO投資の鉄則の「小さく産んで大きく育てる」を実践する絶好のチャンスとなる。上場来高値抜けから高値トライが有望となる。(本紙編集長・浅妻昭治)

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