【業績でみる株価】アドベンチャーの今期大幅増益、来期への期待強く株価見直しへ

業績で見る株価

アドベンチャー<6030>(東マ・売買単位100株)は、航空券販売サイト「スカイチケット」の成長で、業績は絶好調。ただ、今期の大幅増収増益は株価面では完全に織り込み済み。本格反騰は来期の業績見通しがハッキリしてからとなろう。

同社はオンラインを使用した旅行代理店を展開する。最も安い航空チケットを探すことが出来るサイトの「スカイチケット」が、利用者増加中だ。またLCC(格安航空会社)の情報も入手できるため、人気が高まっている。さらにツアー予約できる「ワナトリップ」も18言語に対応できるため、また、国内ばかりではなく、海外の旅行者も活発に利用している。2020年の東京オリンピックまで、訪日客を現在の1300万人から2000万人にする方針を日本政府は掲げており、同社の事業環境は極めて良好といえよう。

さらに、同社はレストランや美容室の予約システムなど旅行以外のサイトの育成にも力を注いでいく方針で、業績見通しは明るいと考えられる。

2015年6月期は営業収益13億5000万円(前期比51%増)、当期純利益1億3000万円(同6倍)を見込むなど業績は絶好調だ。予想一株当たり利益も60円(前期12円)と急上昇する。

これを受けて、同社株は昨年12月18日に上場して6480円まで買い上がった。ただ、この水準でのPERは108倍と超割高。このため、買い物がひと段落すると売り物が先行し、12月22日には3450円と約3000円、半値ほど値を下げた。その後、4000円前後まで戻したが当面、さらに値を上げるのは難しいだろう。なぜなら今期、大幅増収増益という買い材料は株価面で織り込まれ、インパクトが薄くなったからだ。市場はむしろ、来期の業績に関心が集まってきている。前述したような事業環境から、来期も増収増益が期待できそうだが、その増益率に注目したい。仮に今期のような増益率となれば、再び6000円台を目指そうが、伸び率が低いようだと、なかなか本格的に買い上がることは出来ないと考えられる。

高値から半値まで急落した亀裂を修復するには、どうしてもインパクトのある材料が求められているのは事実だ。新規買いは、底値を確認した場面か、来期の大幅増益が期待できるということがハッキリした段階からで遅くないだろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る