【神鋼商事】新中期経営計画を発表し5年後に経常利益36%増など目指す

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■グローバルビジネスの加速など進め中国・インドなどで設備増設

 神鋼商事<8075>(東1)は28日、2016年3月期の決算と向こう5ヵ年の「新中期経営計画(2016年度~2020年度)を発表し、グローバルビジネスの加速や商社機能の強化などを進め、2020年度(21年3月期)の連結売上高を16年3月期実績比13%増の8900億円とするなどの計画を掲げた。自己資本比率は16年3月期実績の17.1%(421億円)に対し、21年3月期には20%以上(500億円以上)を計画する。

 16年3月期は、中国や新興諸国・地域の成長鈍化、鉄鋼原料価格の下落にともなう市況低迷などの影響で、連結売上高は前期比9.1%減の7913.4億円となり、メキシコ新拠点の先行費用などもあって経常利益は同じく10.8%減の58.1億円、純利益は同12.4%減の34.8億円となった。ただ、配当は前期と同額の年8円(中間期4円、期末4円)を据え置く。

■マレーシアで進める合金鉄プロジェクトは2017年度から本格化

 こうした推移を踏まえ、新中期経営計画では、グローバルビジネスの加速、商社機能の強化など、3つの全体戦略を柱に成長と拡大を進めることとした。地域別では、北米・メキシコにおける現地販売拠点、線材二次加工拠点と日本国内の連携による線材ビジネスの強化などを進め、中国では神鋼商貿(上海)を中心に神戸製鋼グループ、自動車業界、液晶パネル業界などでの取引拡大を進め、アルミ加工拠点の拡充も推進する。アセアン・インド地域では11社1支店のネットワークを活用し、自動車・二輪業界、鉄鋼・非鉄原料等での取引拡大などを進める。

 投資計画としては、グループのコベルコクレーンなど日系企業の展開が進むインドで、鉄鋼部門の厚板溶断設備の増強を推進するほか、非鉄金属部門の中国法人・蘇州神商では設備増強にとどまらず新拠点も検討するとした。

 また、鉄鋼原料部門では、マレーシアで進める合金鉄プロジェクト「Pertama」(ペルタマ)の「火入れ」をこの5月に行う段階になり、17年4月頃から神戸製鋼所などへの納入を開始する予定。来期以降の業績寄与が注目されている。

 これらにより、21年3月期の連結経常利益は16年3月期実績比36%増の80億円を計画し、純利益は同じく49%増の52億円を計画するとした。

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