【業績でみる株価】スズキは前期の増収増益から17年3月期は円高で7.8%減益、創立100周年に向けインドで成長投資、2月安値接近なら押し目買い有効

スズキ SUZUKI 7269

 スズキ<7269>(東1・100株)は10日、2016年3月期決算を発表、5.5%増収、8.9%営業増益で5円増配した。17年3月期は1ケタ台の減収減益見通し。10日の株価は一時61.5円高の2956円まで上伸した。

 国内売上は軽自動車税の影響やOEM売上の減少により苦戦、一方、海外は欧州での『ピターラ』好調、インド、パキスタンの好調で売上を伸ばしている。17年3月期は、円高の影響から売上2.5%減の3兆1000億円、営業利益7.8%減の1800億円、純利益20.3%減の930億円、EPS210.7円(前期234.9円)の見通し。配当は年32円(中間15円、期末17円)の予定。為替レートは1ドル・105円、1ユーロ・120円で想定している。

 2020年に創立100周年を迎える。15年からの15年間を次の100年成長のための土台強化の期間と位置づけ経営基盤強化に取り組むという。中心はインドでの成長投資が核となる模様。

 株価は15年5月の4780.5円をピークに右肩下がり相場が継続。ただ、足元では今年2月の安値2662.5円でコツンと底を打った印象だ。その後、引き戻して3000円を挟んだモミ合い。円高さえ落ち着いて、1ドル・120円に向かえば急反発は予想されるだろう。とくに、営業利益が最高益(前期1053億円)に対し高水準にあるだけに、仮に円安に転じ営業利益2000億円乗せの期待が膨らむようなら15年高値を目指すことが予想されるだろう。もちろん、足元では明確な円安局面ではないだけに引き続き3000円を挟んだモミ合いとみておくのが無難だろう。当面は今期減益見通しから上値買いは慎重に2月安値接近を待って注目するのがよさそうだ。

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