【アナリスト水田雅展の銘柄分析】OBARA GROUPは高値圏で堅調、今期業績の増額期待で上値追い

銘柄分析

 溶接機器や平面研磨装置のOBARA GROUP<6877>(東1)の株価は、12月26日に5550円まで上値を伸ばし、その後も高値圏で堅調に推移している。ドル高・円安進行を好感し、今期(15年9月期)業績見通しの増額期待で上値追いの展開だろう。なお2月12日に第1四半期(10月~12月)の業績発表を予定している。

 自動車業界向け抵抗溶接機器や造船・建設業界向けアーク溶接機器を主力とする溶接機器関連事業、エレクトロニクス業界向け平面研磨装置や洗浄装置を主力とする平面研磨装置関連事業を展開している。

 今期(15年9月期)の連結業績見通し(11月10日公表)は売上高が前期比0.8%減の474億円、営業利益が同5.5%減の84億50百万円、経常利益が同11.5%減の85億50百万円、そして純利益が同11.1%減の55億円としている。

 配当予想は年間60円(第2四半期末30円、期末30円)としている。前期のとの比較では記念配当10円を落としたが、普通配当ベースでは前期と同額である。

 会社見通しは、自動車業界の一部に小幅な調整が見込まれるとして減収減益だが、期初時点では保守的な見通しを公表する傾向が強い。想定為替レートも1米ドル=107円と保守的である。自動車関連の設備投資需要は国内外で高水準であり、溶接機器関連事業の好調推移が予想される。また平面研磨装置関連事業はエレクトロニクス関連業界向けが回復基調だろう。為替のドル高・円安進行も追い風であり、会社見通しには増額余地が大きいだろう。

 株価の動きを見ると、14年7月の4770円を突破して上値追いの展開となった。12月26日には5550円まで上値を伸ばした。その後も高値圏で堅調に推移している。ドル高・円安進行も好感して、今期業績見通しの増額を期待する動きだろう。

 1月20日の終値5480円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS284円97銭で算出)は19~20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は1.1%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1959円17銭で算出)は2.8倍近辺である。

 週足チャートで見ると、サポートラインの13週移動平均線が接近して再動意のタイミングのようだ。強基調の形であり、今期業績見通しの増額期待で上値追いの展開だろう。

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