【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トーソー戻り高値圏で堅調、下期以降の収益改善期待で13年5月高値試す

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 カーテンレールやブラインド類のトーソー<5956>(東2)の株価は、1月8日の戻り高値526円から利益確定売りで一旦反落したが、戻り高値圏の500円~510円近辺で堅調に推移している。0.5倍近辺の低PBRも評価材料であり、下期以降の収益改善期待で13年5月高値549円を試す展開だろう。なお1月30日に第3四半期累計(4月~12月)の業績発表を予定している。

 カーテンレールやブラインド類の室内装飾関連事業を主力として、ステッキなど介護用品事業も展開している。中期戦略では「窓辺の総合インテリアメーカー」として、国内市場向け新商品開発のスピードアップ、非住宅分野の大型案件獲得、海外での大型案件獲得、原価低減や総費用低減、新規領域としての介護用品事業の拡大などを掲げている。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(10月31日に減額修正)は売上高が前期比4.7%減の228億円、営業利益が同38.0%減の6億40百万円、経常利益が同38.6%減の6億20百万円、純利益が同30.5%増の2億60百万円としている。配当予想(5月8日公表)は前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 第2四半期累計(4月~9月)は、消費増税前駆け込み需要の反動減が影響して減収減益だった。純利益は厚生年金基金の特例解散に伴う特別損失計上も影響した。消費増税の影響が長期化しているため通期見通しも減額修正した。

 しかし製造コストおよび配送コストの上昇に対応して、インテリアブラインドおよび関連製品について12月15日受注分から製品価格改定を実施している。消費増税の影響一巡、営業強化、高付加価値製品の拡販、値上げ浸透などで下期以降の収益改善が期待される。

 株主優待は毎年3月31日現在の株主に対して実施し、1単元(100株)以上所有株主に対して1000円相当の優待品、10単元(1000株)以上所有株主に対して3000円相当の優待品を贈呈する。また環境保全活動の一環としてインドネシア共和国における「植林活動への寄付」も設けている。

 株価の動きを見ると、1月8日の戻り高値526円から利益確定売りで一旦反落したが、戻り高値圏の500円~510円近辺で堅調に推移している。今期の営業減益見通しを織り込んで下期以降の収益改善を期待する動きだろう。

 1月22日の終値506円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円92銭で算出)は20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS975円99銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインの形だ。0.5倍近辺の低PBRも評価材料であり、下期以降の収益改善期待で13年5月高値549円を試す展開だろう。

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