【アナリスト水田雅展の銘柄診断】アルファは第1四半期の減収減益を嫌気したが下値は限定的、高配当利回りや低PBRを評価して反発

銘柄分析

 POP広告など店舗販促用品の企画・製作を展開するアルファ<4760>(JQS)の株価は、第1四半期(9月~11月)の減収減益を嫌気する形で172円まで調整した。ただし14年前半の安値水準150円台まで下押す動きは見られず下値は限定的のようだ。2%台後半の高配当利回りや0.6倍近辺の低PBRも評価して反発局面だろう。

 POP広告やイベント関連商品など店舗販促用品の企画・製作を展開し、メーカー・小売のタイアップ企画である消費者向け販促キャンペーンの受注や、デジタルサイネージ(デジタル技術を活用した広告媒体)を組み込んだ新販促商品・サービスの企画・提案営業を強化している。新商品では香りのプロモーションツール「かおるくん」が好調のようだ。

 1月14日に発表した今期(15年8月期)第1四半期(9月~11月)の業績(非連結)は売上高が前年同期比4.4%減の18億35百万円、営業利益が同25.4%減の1億03百万円、経常利益が同26.4%減の1億03百万円、純利益が同24.2%減の64百万円だった。

 中小スーパーの販促費削減傾向継続、前年の大口スポット受注の一巡、装飾物・演出物の受注減少などの影響で減収減益だった。事業別には自社企画製品が同2.5%減収、別注製品が同0.7%減収、商品が同12.6%減収だった。

 通期の業績(非連結)見通しは、前回予想(10月14日公表)を据え置いて売上高が前期比4.5%増の70億円、営業利益が同8.8%増の1億70百万円、経常利益が同2.9%増の1億65百万円、純利益が同0.6%増の70百万円、配当予想が前期と同額の年間5円(期末一括)としている。

 自社企画製品ではオンラインショップによる受注増加、別注製品では企画提案強化による消費者向け販促キャンペーンの受注増加、メーカーからの企画料・デザイン料など役務売上の増加、商品ではイベント関連の受注の増加を見込んでいる。

 クリスマスや年末・年始商戦などで上半期(9月~2月)の構成比が高い収益構造のため、通期見通しに対する第1四半期の進捗率は高水準となる。第1四半期は減収減益だったが、採算重視の取引推進や売上総利益率の改善なども寄与して、通期ベースでの営業損益改善が期待される。

 株価の動きを見ると、概ね180円近辺でモミ合う展開だったが、第1四半期の減収減益を嫌気する形でやや水準を切り下げて172円まで調整した。ただし170円台を割り込んで14年前半の安値水準150円台まで下押す動き見られない。下値は限定的のようだ。

 1月23日の終値173円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS8円70銭で算出)は20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は2.9%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS285円53銭で算出)は0.6倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形で水準を切り下げたが、52週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。2%台後半の高配当利回りや0.6倍近辺の低PBRも評価して反発局面だろう。

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