【株式評論家の視点】D.A.コンソーシアムHDは直近の業績好調、決算発表前に下値を固めるか注目

株式評論家の視点

 D.A.コンソーシアムホールディングス<6534>(東2)は、10月3日に共同株式移転の方法により、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社および株式会社アイレップの完全親会社として設立され、同日に同社の普通株式を東京証券取引所市場第二部に上場した。インターネット広告市場の成長とともに、さまざまな広告商品や顧客のニーズに合わせ、事業領域を拡大してきたが、事業分野の壁を越えて市場の変化を先取りし、グローバルで通用するビジネスを展開することが一層求められており、グループの経営方針を決定するとともに、グループ全体を横断して活用できる共通の「武器」を先導してつくり、媒体社、広告会社、広告主、生活者に提供する価値を最大化を図る方針。

 メディアサービス事業では、インターネット広告に特化したメディアレップとして、広告枠の仕入・販売、プランニング、広告原稿の管理、レポート提出までトータルに支援している。DAS事業(Diversified Advertising Service)では、アドテクノロジーで、媒体社の広告収益・メディア価値の向上や、広告会社・広告主のROI(Retern On Investment)を最大化するさまざまなサービスを提供しているほか、コンテンツマーケティングで、広告主と生活者のエンゲージメントを高めるマーケティング戦略の支援をしている。また、中国、米国、東南アジアを中心に、グローバルにデジタル広告ビジネスを展開している。

 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社の今2017年3月期業績予想は、売上高が1700億円(前期比17.3%増)、営業利益が51億円(同0.7%増)、経常利益が50億円(同0.5%増)、純利益が21億円(同3.6%増)を見込んでいるが、持株会社の業績予想については、改めて発表する予定。

 株式会社アイレップの前2016年9月期業績予想は、売上高が760~770億円(前期比31.0~32.7%増)、営業利益が16~17億円(同124%~138%)、純利益が9~10億円(同182%~213.3%)を見込んでいるが、持株会社の業績予想は、改めて発表する予定。

 株価は、10月3日に777円で寄付いた後、同日高値805円と買われた後、14日安値668円と調整している。11月上旬に予定される決算発表を見極めようと様子見気分が強まっているが、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社の直近第1四半期営業利益は8億0300万円(前年同期比17.5%増)に着地、株式会社アイレップの直近第3四半期営業利益は14億2400万円(前年同期比3.9倍)着地と好調に推移しており、決算発表を前に下値を固めるか注目したい。(株式評論家・信濃川)

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