【株式評論家の視点】アトラエは新規事業に期待感、押し目買い妙味膨らむ

株式評論家の視点

 アトラエ<6194>(東マ)は、本年6月15日に東京証券取引所マザーズに上場。成功報酬型IT/Web業界の求人メディア『Green』の企画・運営、完全審査制AIビジネスマッチングアプリ『yenta』の企画・開発・運営、新規事業の企画・開発を行っている。

 前2016年9月期は、成功報酬型求人メディアGreenにおいて、従来から継続して求人企業と求職者のマッチング効率向上のためのコンテンツの拡充、ビッグデータ解析によるレコメンド精度の向上をはじめ、登録者数の増加施策としてWebマーケティングの強化、新規登録求人企業獲得強化のための施策など、様々な取り組みを実施しているが、今17年9月期も引き続きGreenの成長を見込んでいる。また、事業拡大と競争力強化のための人件費や、Green利用者の獲得と新規事業拡販のための広告宣伝費へ投資を予定している。

 前2016年9月期業績実績は、売上高が13億1200万円(前の期比56.7%増)、営業利益が3億9000万円(同4.1倍)、経常利益が3億7600万円(同4.0倍)、純利益が2億5200万円(同3.9倍)と計画を上ブレ着地。

 今17年9月業績予想は、売上高が17億6800万円(前期比34.7%増)、営業利益が4億9100万円(同26.1%増)、経常利益が4億8500万円(同29.1%増)、純利益が3億3500万円(同32.7%増)と連続最高益更新を見込む。

 株価は、6月15日につけた上場来の高値1万4500円から8月9日に上場来の安値7070円と5割の調整を挟んで10月24日高値1万1530円と上昇。11月9日安値8230円と下げて切り返している。同社は創業以来、人と組織を元気にするため、企業の採用支援を通じて多くの人と企業のマッチングを実現しているが、新規事業では、社員の声から組織としての課題を可視化させることで組織を改善することを可能とする「wevox(ウィボックス)」を開始。「人材の定着及び活用」が、企業経営におけ重要な課題で、社員の心身を含めた健全化が組織に求められており、今後の事業展開に対する期待感がある。8500円どころで下値を固めた感があり、上場来高値奪回も十分視野に入ることから、押し目買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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