カナモトの16年10月期は増収ながら減価償却費の負担増で減益

■建設機械のレンタル需要は地域によってまだら模様

 建機レンタル最大手のカナモト<9678>(東1)の16年10月期通期連結業績は、東北復興、東京オリンピック関連を中心に建設需要は底堅かったことに加え、九州地区の大手レンタル会社であるニシケンを子会社化したことで、増収となった。
 しかし、利益面は、レンタル資産などへの資産増強に伴う減価償却費の負担増により減益となった。

 16年10月期の連結業績は、売上高1448億70百万円(前年期比8.7%増)、営業利益151億34百万円(同7.0%減)、経常利益144億05百万円(同10.9%減)、純利益80億98百万円(同15.3%減)であった。

 建設機械のレンタル需要は地域によってまだら模様の事業環境であった。この様な環境の中で、同社グループは、熊本地震の災害復旧活動や、北海道の豪雨災害による復旧活動に対応するため、連携強化や各社の経営資源の実効的な配分を行うなど、総力を挙げて復旧支援に努めた。

 建設関連の地域別売上高の前年同期比は、北海道地区0.5%減、東北地区2.6%増、関東甲信越地区6.1%増、関西中部地区1.1%減、九州沖縄地区89.9%増であった。九州沖縄地区の急増は、ニシケンを子会社化したことによる。

 今期も建設機械のレンタル需要は底堅く推移すると予想されているが、人手不足や資機材価格の高騰等から工事の着工遅延が予想されるなど、総体的な経営環境は楽観を許されない状況と見ている。

 そのような事業環境であるが、今期17年10月期連結業績予想は、売上高1530億円(前期比5.6%増)、営業利益158億20百万円(同4.5%増)、経常利益155億80百万円(同8.2%増)、純利益94億60百万円(同16.8%増)と過去最高の売上高を更新し、増益を見込む。

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