【株式評論家の視点】竹本容器は岡山事業所で生産開始、決算発表を前に買い妙味膨らむ

株式評論家の視点

 竹本容器<4248>(東2)は、2014年12月に上場。同社は、プラスチック製等の包装容器の製造及び販売している。カタチ(容)あるウツワ(器)を通じて顧客の商品である内容物の価値を安全に包み、さらにその価値と個性を強め、「日本と世界の器文化に貢献」することを使命として、毎年グループ全体で100種類~200種類に及ぶ容器の開発を行っている。今まで同社独自でまたは顧客と共同で開発してきた金型数は、2016年9月末時点での自社金型数は2,998型となり、日本、中国、アメリカ等で多くの顧客が同社の容器を利用している。

 前2016年12月期第3四半期に同社グループでは、中国子会社で手掛けている金型製作工程の一部内製化の施策を進行させるとともに、金型設計標準化ならびに金型開発体制の拡大強化を行うことで、2018年には年間540型(スタンダードボトルとカスタムボトルの合算)の金型製作の実現を目指している。手狭となった大阪ブロー工場の移転拡張を目的とした岡山事業所は昨年9月末に竣工、同10月末より大阪ブロー工場からの移転作業を進め、西日本地域を中心とした製品供給の拠点として11月7日より生産を開始。海外では同8月31日付けでインド グジャラート州に100%子会社を設立し、インドにおける需要増に対応し工場建設へ向けた具体的な活動を行っている。

前16年12月期第3四半期業績実績は、売上高が96億8600万円(前年同期比6.2%増)、営業利益が10億7700万円(同8.7%増)、経常利益が10億8800万円(同9.1%増)、純利益が7億2000万円(同7.8%増)に着地。

 前16年12月期業績予想は12月16日に上方修正済みで、売上高が従来予想の123億7800万円から127億6800万円(前期比16.6%増)、営業利益が同12億0200万円から12億2700万円(同2.2倍)、経常利益が同11億8600万円から12億3900万円(同2.3倍)、純利益が同7億8100万円から8億3200万円(同81.7%増)に増額。期末配当金を同14円から16円に増額し、年間配当は同28円から30円になる見通し。

 株価は、昨年11月17日に昨年来の高値2155円と買われた後、1月26日安値1783円まで調整を挟んで上昇。岡山事業所の生産開始で、プラスチック製ボトルの需要拡大に対応することから、今17年12月期は増収増益が観測されている。また、株主優待として毎年12月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、同社オリジナルボトルに封入した地元浅草の菓子を贈呈。利益還元策は配当性向20%を目標として実施する方針で、今17年12月期は増配含みと観測されている。 前期予想PER12倍台と割安感があり、再度2000円大台を回復する可能性は十分あり、決算発表を前に買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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