【株式評論家の視点】ピクスタは第1四半期減益を織り込む、アジア有力市場での展開に期待高まる

株式評論家の視点

 ピクスタ<3416>(東マ)は、インターネット上で写真・イラスト・動画等のデジタル素材の販売までを行う、オンラインマーケットプレイス「PIXTA(ピクスタ)」を主たる事業として展開している。同社は、「インターネットでフラットな世界をつくる」ことを企業理念として掲げ、インターネットを最大限活用し、価値を生む人とそれを活かす人を最大多数結びつけ、多様性に富む活気ある社会の実現に貢献していくことを目指している。

 同社では、「PIXTA」サイトの改善による顧客獲得とコンバージョン強化を継続して注力するとともに、顧客の多様なニーズに対応するための定額制プランの拡充、販売促進活動や、音素材などの新たな素材カテゴリの拡充に積極的に取り組んでいるほか、前期に開始した出張撮影マッチングサービス「fotowa(フォトア)」やスマホ写真のマーケットプレイス 「Snapmart(スナップマート)」などの新規事業の成長拡大のための施策や、台湾及びタイをはじめとしたアジア地域における海外事業展開のための施策を実施し、積極的に投資を行っている。

 今2017年12月期第1四半期業績実績は、売上高5億1300万円、営業利益1300万円、経常利益1300万円、純利益200万円に着地。

 今17年12月期業績予想は、売上高24億1300万円(前期比37.3%増)、営業利益4800万円(同68.6%減)、経常利益4700万円(同69.7%減)、純利益400万円(同96.0%減)を見込む。同社では、今2017年12月期を「積極投資の年」と位置づけ、既存の国内事業を継続的に伸ばしつつ、昨年着手した新規事業の成長加速と事業機会の拡大を目指し、先行投資が増加するため、増収減益を見込む。

 株価は、1月17日につけた年初来の高値1750円から4月17日に年初来の安値1121円まで調整を挟んで5月17日高値1434円と上昇。その後、モミ合っている。3月3日に韓国でストックフォト(広告及び出版用写真素材)販売事業を手がけるTopic社の株式を取得し連結子会社化。同社を通じてマーケットプレイス型のサービスを立ち上げ、韓国における低価格デジタル素材市場の拡大とシェア獲得を目指す方針で、アジアの有力市場での展開に対する期待は高まる。 今12月期第1四半期減益着地は織り込み済み。25日移動平均線がサポートしており、ここから下押す場面は中長期的な視点で買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る