【株式評論家の視点】フロンティアインターナショナルは東京オリンピック・パラリンピック開催に期待感、下押す場面は好買い場

株式評論家の視点

 フロンティアインターナショナル<7050>(東マ)は、本年2月28日に東京証券取引所マザーズに上場。同社は、幾多のプロモーション案件の実施により培った人の心を動かすノウハウを通じて、生活者に良質なブランド体験を届けることで、企業が抱えるマーケティングやセールスに関するあらゆる課題を解決する「Total Promotion Company」。単一セグメントのプロモーション事業では、イベントプロモーション、キャンペーンプロモーション、PR、スペースプロデュース、デジタルプロモーション、店頭販売支援を行っている。「東京ガールズコレクション」、「東京マラソンEXPO」、「東京国際映画祭等の各種協賛イベントの企画・運営・制作の実績がある。
 成長戦略においては、同社の有する体験価値による課題解決について、複合的な成長を目指している。面の拡大(既存領域における案件獲得増)では、ソリューションメニューの拡大、新規拠点進出を計画。質の深化(新領域における案件創出)では、年間2,000件の案件実施で得た経験値による自社コンテンツの発掘と、多数の提携サプライヤとの関係を活用したサプライヤのデジタルコンテンツのパッケージ化に取り組み。周辺事業への進出では、同社の事業優位性を活かして、店頭顧客行動に基づいたデータマーケティングを行い、同社の人材ノウハウを活かした人材領域への展開等を通じて、事業ドメインの拡大に取り組んでいる。

 今2020年4月期は、来年開催される東京オリンピック・パラリンピックを控え、イベント案件等による売上高の確保及び嗜好品のプロモーション等の新規案件を実施することで売上高の向上をはかるとともに、収益面では利益率向上を進めている。

 9月12日大引け後に発表した今2020年4月期第1四半期業績実績は、売上高26億5600万円、営業利益1億2000万円、経常利益1億2100万円、純利益7300万円に着地。

 今20年4月期業績予想は、売上高131億5800万円(前期比3.0%増)、営業利益11億5200万円(同2.3 %増)、経常利益11億4600万円(同2.9%増)、純利益7億4800万円(同8.6%減)を見込む。種々の大型国際イベントにも支えられ、底堅く事業拡大が続くと想定。前期に税効果会計に係る会計基準における会社区分の変更があった反動で、純利益は小幅減益を予想。年間配当予想は、未定(同期末一括59円)としている。

 株価は、3月4日につけた上場来高値4030円から5月16日に上場来安値2000円まで調整。8月6日安値2006円、9月18日安値2030円と売り直された後、モミ合っているが、2100円割れで下値を固めつつある。来年開催の東京オリンピック・パラリンピックを控え、イベント案件の獲得に対する期待感が下支え、今期予想PER12倍台と割安感がある。今20年4月業績が計画通り順調に推移すれば、上放れが期待されることから、2050円前後まで下押す場面があれば、買いを考えたい。(株式評論家・信濃川)

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