【ドクター箱崎幸也の健康増進実践法】健康寿命の延伸のロコモ・サルコペニア・フレイル

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 わが国は高齢者(65歳以上)が4人に1人以上の超高齢社会を迎え、医療環境の整備や栄養状態改善などでさらに加速していきます。高齢者を表現する言葉として、「ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)」「サルコペニア」「フレイル」がしばしば使用されます。

 フレイルは、加齢や慢性疾患の積み重ねにより、心身ともに脆弱によって自立生活が損なわれやすい状態です。この究極の状態が「老衰」です。(1)歩行速度低下:1m/秒、(2)筋力低下:握力男<26㎏、女性<17㎏、(3)疲れやすさの実感(自己申告)、(4)活動力低下[1週間で300kcalのエネルギー(1万歩)消費未満]、(5)体重減少:年間>5㎏、の3項目以上でフレイルと診断されます。75歳以上の健康診断では、がん検診や慢性疾患予防とともに、まずフレイル予防の検診が大切です。

 フレイルの一部で運動器が障害された状態がロコモです。運動器とは、骨・関節・靱帯、脊椎・脊髄、筋肉・腱、末梢神経など、体を支え(支持)動かす(運動・移動)役割をする器官の総称です。ロコモは日本整形外科学会が平成19年に新たに提唱した概念です。「人は運動器に支えられて生きている。運動器の健康には、医学的評価と対策が重要であることを日々意識してほしい」というメッセージが込められています。

 サルコペニアは、加齢・活動/栄養低下・疾患によって筋肉量・筋力・身体機能が低下し、寝たきり・嚥下障害・呼吸障害となります。慢性的な低栄養状態はサルコペニア進行の要因となり、サルコペニアが進行するとさらに筋力低下が進む、という悪循環に陥ります。この予防には定期的な運動と、運動後の30分以内に蛋白10g(例:牛乳250ml)摂取や分岐鎖アミノ酸(マグロ赤身、牛肉、卵に多く含まれる)の摂取が推奨されています。

 「主観的健康感が保たれ、要介護2以上の認定を受けていないこと」が健康寿命と定義されます。健康寿命を延伸のためにも日々サルコペニア・フレイル予防を意識しながら過ごして下さい。(箱崎幸也=元気会横浜病院々長、元自衛隊中央病院消化器内科部長)

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