カナモトは年初来高値更新の展開、17年10月期通期予想に再増額余地、好業績評価して14年高値試す

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 カナモト<9678>(東1)は建設機械レンタルの大手である。北海道を地盤として全国展開と業容拡大を推進し、長期ビジョンでは海外展開を成長エンジンと位置付けている。17年10月期2桁増益予想である。そして再増額余地がありそうだ。株価は年初来高値更新の展開である。好業績を評価して14年9月の上場来高値を試す展開が期待される。

■建設機械レンタル大手、成長エンジンとして海外展開を強化

 建設機械レンタルを主力として、海外向け中古建設機械販売、土木・建築工事用鉄鋼製品販売、IT機器・イベント関連レンタルなども展開している。M&Aも積極活用し、北海道を地盤として全国展開と業容拡大を加速している。17年7月には建設機械を遠隔操縦できる人型ロボットの開発・レンタル開始を発表した。

 55期の19年を見据えたグループの目指す姿を長期ビジョン「BULL55」として示し、海外展開強化を今後の成長エンジンと位置付けている。また実行計画である3ヵ年中期経営計画「BULL53」では、目標数値として17年10月期売上高1500億円、営業利益190億円、ROA5.0%以上、ROE10%以上などを掲げている。

■17年10月期通期は増額して2桁増益・連続増配予想

 今期(17年10月期)通期連結業績予想は6月2日に増額修して、売上高が前期(16年10月期)比7.5%増の1558億円、営業利益が13.2%増の171億30百万円、経常利益が20.5%増の173億60百万円、純利益が32.5%増の107億30百万円としている。配当予想は5円増配の年間50円(第2四半期末15円、期末35円)としている。連続増配で予想配当性向は16.5%となる。

 北海道の新幹線延伸工事や豪雨災害復旧・復興工事、東北地方の震災復興工事、首都圏での20年東京五輪に向けたインフラ関連工事、その他民間の首都圏再開発プロジェクト、熊本をはじめとする各地での地震災害に対する復旧・復興工事などで建設機械レンタル需要が堅調に推移する。ニシケンの通期連結も寄与して2桁増益予想である。

 第2四半期累計(11月~4月)は計画超の増収増益だった。そして通期予想に対する進捗率は売上高50.8%、営業利益58.3%、経常利益59.0%、純利益60.2%と順調である。通期会社予想に再増額余地がありそうだ。

■株価は年初来高値更新の展開、14年の上場来高値試す

 株価は年初来高値更新の展開で7月24日に4130円まで上伸した。好業績を評価する流れに変化はないだろう。

 8月7日の終値4085円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS303円63銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2169円93銭で算出)は1.9倍近辺である。時価総額は約1474億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。好業績を評価して14年9月の上場来高値4905円を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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