京写は調整一巡して戻り歩調、18年3月期大幅営業増益予想

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 京写<6837>(JQ)はプリント配線板の大手メーカーである。LED照明関連市場拡大や新規取引拡大などで18年3月期大幅営業増益予想である。株価は7月の年初来高値圏から反落して水準を切り下げたが、調整一巡して戻り歩調だ。

■プリント配線板の大手メーカー、LED照明関連の市場拡大

 プリント配線板の大手メーカーである。世界最大の生産能力を誇る片面プリント配線板、および両面プリント配線板を柱として、実装治具関連事業も展開している。プリント配線板は防塵対策基板、高熱伝導・放熱基板、ファイン回路片面基板などに技術的な強みを持ち、生産は国内、中国、インドネシアに拠点展開している。

 17年3月期の製品別売上高構成比は片面板41%、両面板45%、その他(実装治具関連)13%、製品用途別売上高構成比は自動車関連36%、家電製品23%、事務器11%、映像関連9%、アミューズメント関連3%、その他18%だった。

 幅広い用途と顧客層(国内1000口座、海外300口座)を獲得し、LED照明関連の市場拡大も背景として、製品サイクルの長い自動車関連や家電関連を強化している。収益面では自動車や家電などの生産動向の影響を受けやすいが、いずれもLED照明関連の市場拡大が追い風である。

 中期経営計画では、目標数値に21年3月期売上高280億円(片面配線板105億円、両面配線板145億円、治具20億円、実装10億円)、営業利益17億円(営業利益率6.0%)を掲げている。株主還元は配当性向20%を目標とする。

■18年3月期大幅営業増益予想

 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は売上高が前期(17年3月期)比8.3%増の210億円、営業利益が21.3%増の8億50百万円、経常利益が13.0%増の8億円、純利益が0.9%減の5億50百万円としている。配当予想は前期と同額の年間8円(期末一括)で、予想配当性向は20.8%となる。

 非日系顧客向けの拡販、生産体制の効率化、新製品の開発、品質の向上などの施策を積極推進する。売上面では自動車関連や家電関連が引き続き好調に推移し、片面配線板の需要回復に伴う内製稼働率の上昇、海外工場における合理化効果なども寄与して大幅営業増益予想である。

 第1四半期(4~6月)の連結業績は売上高が前年同期比8.3%増収、営業利益が20.9%増益、経常利益が13.0%増益、純利益が2.5%減益だった。法人税等の増加で純利益は微減益だが、プリント配線板事業の好調が牽引して大幅営業増益だった。

 プリント配線板事業は国内で自動車関連分野や映像関連分野の受注が増加し、海外は中国やインドネシアでLED照明などの家電製品分野が好調に推移した。実装関連事業もスマートグリッド関連や自動車関連の受注が好調だった。利益面では銅箔価格高騰に伴って主材料の銅張積層板価格が上昇したが、増収効果、海外工場の稼働率改善効果、合理化効果などで吸収した。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.0%、営業利益14.8%、経常利益16.5%、純利益17.3%である。低水準の形だが、稼働率が上昇する第2四半期及び第3四半期の利益構成比が高くなる収益特性や、期初時点で下期偏重の計画であることを考慮すれば、ネガティブ要因とはならない。通期ベースでも好業績が期待される。

■株価は調整一巡して戻り歩調

 株価は7月の年初来高値600円から反落して水準を切り下げたが、8月10日の直近安値420円から切り返している。調整一巡して戻り歩調だ。

 9月13日の終値495円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS38円38銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は1.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS446円91銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約72億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインの形だ。調整一巡して戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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