【業績でみる株価】一正蒲鉾は調整一巡感、18年6月期減益予想だが保守的、配当は増配予想

 一正蒲鉾<2904>(東1)は水産練製品の製造販売、およびまいたけの生産販売を展開している。水産練製品は国内2位で、カニ風味かまぼこなどを主力製品としている。18年6月期減益予想だが保守的だろう。配当は増配予想である。株価は6月高値から反落したが調整一巡感を強めている。

■水産練製品・惣菜事業を主力として、きのこ事業も展開

 1965年設立で、水産練製品の製造販売、およびまいたけの生産販売を展開している。水産練製品は国内2位で、カニ風味かまぼこなどを主力製品としている。

 17年6月期のセグメント別売上高構成比は水産練製品・惣菜事業87%、きのこ事業12%、その他(運送事業、倉庫事業)1%、営業利益構成比は水産練製品・惣菜事業80%、きのこ事業9%、その他(運送事業、倉庫事業)11%だった。収益面では、原料のすり身価格、為替、およびまいたけの市況などの影響を受けやすい特性がある。

 中期経営計画では目標値に21年6月期売上高430億円、営業利益17億円、ROE8.0%を掲げ、基本方針は収益力強化に向けた事業構造の展開、コア事業の収益拡大と競争優位の実現、リスク・リターンに根ざした戦略的な投資実行、人事・人財育成体制の強化とダイバーシティの推進、海外戦略の進展、コーポレート・ガバナンスの浸透としている。

■18年6月期増収減益予想だが保守的、配当は増配予想

 18年6月期の連結業績予想は売上高が17年6月期比3.5%増の360億円、営業利益が17.4%減の11億円、経常利益が27.9%減の11億円、純利益が40.9%減の5億円としている。配当予想は1円増配の年間7円(期末一括)としている。

 水産練製品・惣菜事業は、戦略商品や基幹商品の継続的な構成比拡大、製販連携した収益性評価による商品改廃、きのこ事業は収量および品質向上による収益改善、中国子会社の営業体制強化を推進する。原材料・エネルギーコストの上昇などで減益予想としているようだが、やや保守的だろう。

■株価は調整一巡感

 株価は6月高値1414円から反落したが、8月15日の直近安値1224円から徐々に下値を切り上げて調整一巡感を強めている。9月25日の終値は1287円、今期予想PERは約48倍、時価総額は約239億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線が下値を支える形となり、26週移動平均線突破の動きを強めている。戻りを試す展開が期待される。(MM)

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